乾性油は油彩画やワニスなどに用いられるオイルのことです。
空気に触れ酸化することで固化する性質があります。
要は、乾いて固まるオイルです。
乾くと言っても水分の蒸発ではありません。オイル自体が酸化による化学反応によって固まります。
油には固まりやすさを示す「ヨウ素価」という値があります。それにより乾性油、半乾性油、不乾性油に分類されます。
料理に用いるオイルなども同様です。
そして、乾性油は油絵を描く際にメインとなるオイルです。これが無いと始まりません。
絵の具の伸びを良くして光沢を与えます。また油絵具それ自体も乾性油で練られています。
油絵具の独特の色の深みは、この乾性油の働きによるものです。
リンシードオイル、ポピーオイル、サフラワーオイルなどが主に用いられます。
上でも記した通り、油絵ではこのオイルが乾いて固まることで、絵の具がキャンバスに定着します。
そして、水分の蒸発ではないので、絵の具の体積が変化しません。
そのため、量感やタッチの効いた厚塗りに適しているのです。描いているときの質感がそのまま残ります。
他に油絵で扱うメインのオイルとしては、揮発性油があります。