今回は異世界ファンタジーを取り上げたいと思います。
もう子供から大人まで、誰もが知っている王道中の王道と言えるジャンルですよね。
僕自身、子どもの頃から今に至るまでも、とても好きですね。
最近だと葬送のフリーレンとか、あと海外ドラマのゲームオブスローンズとかも好きですね。
そんな異世界ファンタジーですが、ある共通の特徴があることにお気づきでしょうか。
それは、決まってその世界観が中世ヨーロッパ風であることです。
そんなの当たり前じゃん、と思われるかもしれません。
しかし、なんで中世ヨーロッパ風なのか、ということを説明できますか?
実はこれには、そうなるに至る長い歴史的、文化的な背景ががあるんです。
そこのところを、わかりやすく解説したいと思います。
ではまず、そもそもファンタジーとは一体何でしょうか?
ファンタジー作品とは、現実とは別の超自然的な世界を主題とした文学、映画、ゲームなどの作品のことを指します。
その起源は、古代ヨーロッパに端を発します。すなわち、はるか昔に生まれた神話や伝説です。
人類は古くから、神々や怪物、英雄たちの物語を語り継いできました。
ギリシャ神話、北欧神話、聖書、ケルト神話など、各地に伝承が存在しています。
それから中世ヨーロッパにおいて、騎士道物語という英雄の冒険譚がまとめられます。『アーサー王物語』や『ニーベルンゲンの歌』などが代表的です。
それから近代になると、作家たちは古い伝承の要素を取り入れながら、独自の架空世界を描くようになっていきます。
そうしたファンタジー文学においては、騎士道物語も重要な題材とされました。
つまりファンタジーというジャンルは、ヨーロッパに古くから伝わる神話や文学の伝統を重要な土台として発展したのです。
それから19世紀頃になると、主に児童文学の領域にファンタジーの要素が見られる様になります。
これには『不思議の国のアリス』や『オズの魔法使い』などが挙げられます。
誰もが知っている、今でも非常に有名な古典的名作ですね。
それからファンタジーというジャンルは、次第に読者を大人にも広げていきます。
20世紀中頃になると、現代ファンタジーの基盤となる重要な作品が登場します。
それが、J・R・R・トールキンによる『指輪物語』という長編ファンタジー小説です。
現在では映画作品が有名なので、『ロード・オブ・ザ・リング』という原題の方が、よく知られていると思います。
エルフやドワーフ、ドラゴンや魔法使いなどの定番キャラも豊富に登場します。そしてもちろん、その世界観は中世ヨーロッパをベースとしています。
作者のトールキンは古典の研究者でもあり、豊富な神話・伝承の知識を活かして、この作品を執筆しました。
特に、北欧神話やゲルマン系の伝承などは、彼の作品を理解するうえで重要な要素となっています。
そして『指輪物語』の大きな特徴は、その設定の作り込みの細かさにあります。
長い歴史や独特の文化を持つ世界を舞台に、さまざまな種族が暮らし、壮大な冒険が展開されます。
独自の言語や文字や神話があり、それぞれの国家や勢力図があります。
創作でありながら、ひとつの世界として徹底的に構築されていたのです。
これが革新的なポイントでした。
それから世界的にも有名になると、音楽、映画、テレビ、ビデオゲームなど、多くの文化作品に影響を与えることになります。
こうして『指輪物語』が現代ファンタジーの基本モデルを確立し、後世の作品づくりにおいて重要な手本となったのでした。
そして、ファンタジー🟰中世ヨーロッパというイメージも、より一層と定着していったわけです。
ちなみになんですが、ファンタジーの定番キャラであるエルフとドワーフ、実はその現在のイメージの原型をつくりあげたのが『指輪物語』なんです。
エルフやドワーフというのは、ともに北欧神話に起源をもつのですが、最初から現在のような姿をしていたわけではありません。
エルフはもともとは、森や泉などに住む妖精の種族でした。
これがトールキンの『指輪物語』の中において、美しい容姿で身体能力が高く、弓矢をはじめ武器の扱いにも優れるといったエルフ像が描かれたのでした。
そして以降のファンタジー作品において、それらがエルフの定番的なイメージとして定着していったのです。
またドワーフも同様です。
もともとドワーフは、地中に住む小人の妖精でした。
これが『指輪物語』の中において、小柄ながら屈強な戦士たちという姿で描かれます。
そして以降のファンタジー作品において、それがドワーフの定番的なイメージとして定着しました。
このように、エルフとドワーフと言うファンタジーの二大キャラのイメージを、指輪物語が形作ったわけです。いかにその影響力がすごいかと言うことがわかるのではないでしょうか。
では次に、日本における広まりを見ていきましょう。
日本において、中世ヨーロッパ風のファンタジーが広く親しまれるようになった背景には、とりわけRPGゲームの影響があります。
1980年代、欧米でコンピュータRPGゲームが登場すると、人気を博しました。
こうした海外のゲーム文化を背景に、日本でもファンタジーRPGが発展していきます。
その代表的な作品が、1986年に発売された『ドラゴンクエスト』、並びに1987年に発売された『ファイナルファンタジー』です。
ドラクエもFFも、子供から大人まで誰もが知っている大人気シリーズですよね。
剣や魔法、モンスター、ダンジョン、王国、冒険者といった要素は、まさにファンタジーの王道です。
こうしたRPGゲームによって、人々はファンタジーの世界を遊ぶという体験ができるようになりました。
これはファンタジーをより身近なものにし、その人気を高めるのに、大きな貢献を果たしたと言えるでしょう。
その後、日本ではゲームだけでなく、漫画やアニメ、ライトノベルなどでも、ファンタジーの世界観が広く使われるようになっていきます。
そして、2000年代以降、異世界転生ものが登場すると、ファンタジーというジャンルの人気はさらに不動のものとなっていきました。
それから2010年代以降、スマホが普及してから現在に至るまでファンタジーは、さまざまなメディアにおいて、王道の人気ジャンルとして定着したのでした
このようにして、異世界ファンタジーは日本で独自の発展を遂げていきました。それと同時に、中世ヨーロッパ風というイメージも、定番のものとして普及したのです。
今回は、なぜ異世界ファンタジーは中世ヨーロッパ風なのか、というテーマで解説しました。
その背景には、まずヨーロッパに古くから伝わる神話や伝説、騎士物語などがありました。
それから近代のファンタジー文学、そしてRPGゲームや日本のアニメ・漫画文化を通じて、現在のような世界観が発展していきました。
そして、数々の人気作品を通して、その世界観が多くの人に共有され、定着していったのです。
これから異世界ファンタジーを楽しむときには、こうした歴史的な背景にも注目してみると、作品をまた違った角度から楽しめるかもしれません。
それでは、今回の動画は以上になります。それではまた。