「どこからアイデアがわくのか?」
「そりゃ盗むのさ」
これは、あらゆる分野で役に立つ手法であり思考法です。
ここで言う盗むとは、盗作のことではなく模倣やコピーのことです。
模倣やコピーこそ、技術を上達させる素晴らしい手段であり研究法なのです。
創造的な思考のための良書、『クリエイティブの授業
「芸術とは盗むことだ」 パブロ・ピカソ
オリジナルなんてない、それはあらゆる分野にいえることです。
芸術、学問、スポーツ。何においても真似ること、模倣することは重要です。
それにより、技術や考え方を盗むのです。
無から生まれるものなんてありません。
みんな何かを参考にして学び、そこから得られたものをもとに、自分の表現をしていきます。
どんな分野においても、盗むことは最も重要なスキルなのです。
サッカー選手から、ミュージシャンから、漫画家やアニメーターから。みんな自分のヒーローを、真似することから始めます。
その分野における一流の人たちから、その動きや技術を模倣しようとします。そして、自分の好きなものをどんどん吸収し、自分の一部にしていくのです。
そうして技術、精神、思考などをより高めていくことができるのです。
「何もマネしたくない、なんて言っている人間には何も作れない」 サルバドール・ダリ
学校に行こうと行くまいと、自分を教育するのは自分の責任です。
今の時代においては、勉強がしたければ図書館とインターネットがあれば大抵のことは分かります。
YouTubeの質の高いハウツー動画や、専門性の高いブログ記事などは、勉強ツールとして最高です。
下手に専門学校やスクールに通うよりも有効だと思います。
費用がほとんどかからない上に、実用的な知識やノウハウが手に入ります。
また結局のところ、勉強というのは独学でやるしか本当に上達する道はないと思います。
そのように得た知識やノウハウを、自分なりに実践して、試行錯誤を繰り返しながら身に付けていけばいいのです。
また、学ぼうとしている分野を、丸呑みしようとするのはいけません。そんなことをしようとすれば喉がつかえてしまいます。
自分の得意な分野、好きな分野を把握し、専門性を高めていくのが重要です。
「新しい動きなんてない。僕の動きはどれも一流選手たちから盗んだものばかりさ」 コービー・ブライアント
コービーはNBAの歴史においても最も活躍した選手の一人です。
そして自分の動きはどれも、今までのスター選手のコピーであることを認めています。
そして彼は、ただ盗むだけでは上手くいかないことに気づきました。
選手はみな体格も個性もバラバラなので、自分に合った動きというのは、一人一人違うのです。
コービーはただコピーして盗むのではなく、自分に合った形に変えて、技術を吸収していったのです。
また彼はこう言っています。
「僕は報いたいんだ、動きを教えてくれた先人たちにね」
つまり、偉大な先人たちの積み重ねが、何よりも貴重な財産なんです。
あのビートルズだって最初はコピーバンドでした。
だれだってヒーローのものまねから始めるのです。どんどんまねて、どんどん盗めばいいんです。
1人をコピーするのは盗作ですが、何人からもをコピーするのは研究になります。
なので、どんどん盗んで、どんどん研究をしましょう。
「盗む」ことこそ、成長や上達に最も有効な作業なのです。
「確かな法則が一つだけある。人には親切にせよ、ということだ」 カート・ヴォネガット
人に攻撃したり、いじわるしたりしても、いいことは何一つありません。
そこに人間としての成長は何ひとつありません。
重要なのは人の役に立つこと、助けになること、それを基本として生きていくことです。
いい作品やノウハウを、みんなとシェアすることがいいでしょう。今の時代はネットのおかげで、シェアすることはとても簡単です。
難しいのは、いいものをつくることです。
これは、いつの時代も変わりません。近道はなく、失敗の連続です。勉強と実践と試行錯誤の繰り返しです。
その中で出来たものをどんどんとシェアしていきましょう。
作品を世に送り出したら、人々がどう反応するかは自分にはどうしようもありません。
もちろん、いい反応があるに越したことはありません。
ですが基本的に、人の思考をどうにかすることは出来ません。どうにか出来るのは、自分の思考だけです。
だから、人の評価をあれこれ気にすることに意味はないんですね。評価を求めず、自分のつくったものをどんどんとシェアしていきましょう。
重要なのは自分の心の声です。
他人がどう思うかではありません。酷い失敗作ができたっていいです。
自分が何をしたいか、何を表現したいか、それが最も重要なことなんですから。
本当の失敗とは、失敗を恐れて何もしないことです。
自分のやりたいこと言いたいことを、自由気ままに発していきましょう。
創作における「盗む」ことの重要性を紹介しました。
今回の記事で紹介した考え方は、オースティン・クレオンの著作『クリエイティブの授業
創作に役立つ思考法満載でおすすめの良書です。
それでは、細かいことなど気にせず、どんどん盗んで、どんどんつくっていきましょう。