新古典主義とは何かわかりますか?
バロック・ロココに続き、ヨーロッパで広まった芸術様式です。
その影響は、絵画、彫刻、音楽、建築など幅広い芸術活動に影響しました。
ここでは、そんな新古典主義をわかりやすく解説したいと思います。
時代背景や重要なポイントもしっかり抑えてあります。
僕は大学で西洋史を専攻していました。西洋の歴史や文化なら任せてください。
18世紀後半から19世紀初頭の、ヨーロッパで起こった芸術様式が新古典主義です。
ギリシア・ローマの古典を模範としました。
ロココの優美で装飾的な様式に反発して、より厳かで理想的な美を追い求める運動でした
文学、美術、音楽、建築など幅広い分野に渡り広まりました。
また背景として、18世紀後半にポンペイの遺跡が発掘され、当時の人々の古代への関心が高まったことがあります。
ポンペイは古代ローマの遺跡で、ベスヴィオ火山の噴火により埋まった都市です。
当時の様子をそのまま残しており、文化遺産としても歴史史料としても貴重な発見でした。
さらにフランス革命やナポレオンの登場によって、古典の英雄的な主題が好まれたという面もあります。
数々の英雄が登場するギリシア神話は、まさに理想的なモチーフでした。
新古典主義に大きく影響を与えたのがナポレオンの登場です。ヨーロッパを破竹の勢いで制圧していったナポレオンは、当時の様々な芸術活動に影響を与えました。自身は宮廷画家にダヴィドらを採用し、その作品を有効な宣伝手段としても活用します。
新古典主義の芸術は、荘厳さと理想的な美を追求しました。
特に古代ギリシアの美術をその理想とし、絵画においては神話画や歴史画が多く描かれました。
非常に正確なデッサンが特徴で、完璧に整ったバランスを重視しています。
まさに、アカデミー美術の王道と言えるものでした。
代表的な芸術家はダヴィド、アングル、カノーヴァなどです。
ジャック・ルイ・ダヴィドは、新古典主義を象徴するフランスの芸術家です。
ナポレオンの宮廷画家も務め、神話をモチーフにした数々の作品を生み出しました。
完璧なまでにバランスとディテールにこだわり、荘厳さと理想的な美を表現しています。
19世紀に古代ローマのポンペイの遺跡が、非常に良い保存状態で発見されました。これは西暦79年のベスヴィオ山の噴火によって、街全体がそのままの状態で埋まったためです。また都市を飲み込んだ火山灰が、ちょうど乾燥剤の様な働きをして、保存状態を良好に保ちました。
ドミニク・アングルは、新古典主義を代表するフランスの芸術家です。
極めて優れたデッサン力で、数々の傑作をつくりあげました。
その精巧な技術力の高さは、まさに圧倒的と言えます。
またその後の芸術家たちにも、大きく影響を与えます。
新古典主義では、古代ギリシアの復興建築が数多く建てられました。イギリスの大英博物館もその代表です。メインエントランスをはじめ、多くの建物が新古典主義の様式によって設計されています。
アントニオ・カノーヴァは、新古典主義を代表するイタリアの彫刻家です。
古代から受け継がれる、非常に精巧で生命感溢れる作風が特徴的です。
まさにギリシア彫刻の王道とも言えるものです。
主に神話をモチーフにした、数多くの優れた彫刻作品を生み出しました。
新古典主義をわかりやすく解説しました。
それは古代ギリシアを理想とする、荘厳で理想的な美の追求でした。
また、フランス革命やナポレオンの登場といった時代背景があります。
新古典主義は完璧にバランスの整った理想的な美という、まさに西洋美術の王道と言えるのかもしれません。
それではご覧いただきありがとうございました。