西洋美術史

写実主義・自然主義をわかりやすく解説します!

写実主義・自然主義が何かわかりますか?

それは19世紀のヨーロッパで起こった、今までの伝統に縛られない芸術様式です。

その名の通り、自然で写実的な表現を行い、ありのままの現実世界を描きました。

これは当時としては画期的な出来事であり、新しい時代の潮流となっていきました。

写実主義・自然主義の世界を学ぼう!

ここでは、そんな写実主義・自然主義をわかりやすく解説したいと思います。

その特徴から時代背景、代表的な芸術家とその作品まで紹介していきます。

僕は大学で西洋史を専攻していました。西洋の歴史や文化なら任せてください。

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写実主義・自然主義とは?

理想化・空想化した美ではなく、自然なあるがままの美しさを表現しようとするのが写実主義・自然主義です。

19世紀のヨーロッパにおいて、ロマン主義に対抗する形で起こりました。

ロマン主義は、主観や神秘や夢といった要素を重視しました。

これに対し写実主義・自然主義は、客観的で現実的な要素を重視します。

身の回りの自然や、日常的な生活空間から美を見いだしたのです。

想像ではなく、見たままのあるがままを表現します。

都市よりも農村を主なモチーフとし、牧歌的で飾らないスタイルが特徴です。

この芸術様式は美術や文学の分野において広まり、印象派にも影響を与えました。

現実世界を客観的に、そのままに描きだすという、新しい芸術様式でした。

写実主義・自然主義を代表する芸術家たち

写実主義・自然主義の代表的な芸術家には、クールベ、ミレーなどがいます。

古典主義やロマン主義、格調高さといった伝統に対抗して生み出された、新しい芸術表現の潮流でした。

それまでの美術の伝統では、歴史画や宗教画が最も崇高な絵画とされていました。理想的な美の追求です。

一方で写実主義・自然主義の芸術家たちは、あるがままの現実世界に美を見出しました。

クールベ

ギュスターヴ・クールベは写実主義を代表するフランスの芸術家です。

「レアリスム宣言」を掲げ、あるがままの現実世界を描きました。

また、パリで開かれた第二回万国博覧会の展示で自分の大作が落選すると、会場近くの小屋を借りて自分で展示会を開きました。

これは、世界で初めての個展であり、その起源だとも言われています。

ミレー

ジャン・フランソワ・ミレーは写実主義・自然主義を代表するフランスの芸術家です。

農村の暮らしの様子を、あるがままに描き出しました。

ミレーの作風は、ゴッホをはじめ印象派の画家たちにも大きく影響を与えます。

ミレーはじめ、この時代の自然主義の画家たちをバルビゾン派とも呼びます。

近代的なマスメディアの誕生

19世紀において新聞をはじめとしたマスメディアの大衆化が進んだ。産業革命による印刷技術の発展や、都市の人口増加によるものであった。また公教育の普及による、識字率の上昇も要因である。イギリスのガーディアン、フランスのフィガロ、アメリカのニューヨークタイムズなどの新聞が次々と創刊された。またロイター通信をはじめとした通信社も生まれていった。

ブルトン

ジュール・ブルトンは、写実主義・自然主義を代表するフランスの芸術家です。

フランスの農民のありのままの姿を描きました。

ルパージュ

ジュール・バスティアン・ルパージュは、写実主義・自然主義を代表するフランスの芸術家です。

農村の暮らしの様子を、リアルなタッチで描き出しました。

レーピン

イリヤ・レーピンは、写実主義を代表するロシアの芸術家です。

壮大でドラマチックな群像絵画を描きました。

農村だけでなく都市も含め、その時代に生きる人々の、ありのまま姿を描写しました。

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まとめ

写実主義・自然主義を解説しました。

それは現実のあるがままの美しさを捉えた芸術様式です。

そこから新しい時代の潮流が生まれ、印象派にもつながっていきました。

それでは、ご覧いただきありがとうございました。