AIを相談相手として利用する人が急速に増えています。

2026年に内閣府の消費者委員会事務局が実施した調査によると、生成AIの利用目的として「悩み相談」を挙げた人は23.3%に達しました。

およそ4人に1人が、何らかの形でAIを相談相手として利用していることになります。

つまりAIは、単なる検索ツールではなく、人々の人生や感情に関わる相談相手として利用され始めているのです。

今回の記事では、実際に人々がどんなことをAIに相談しているのか、調査結果をもとにわかりやすくまとめました。

AI悩み相談の教科書: なぜ人はChatGPTに悩みを打ち明けるのか?

人間関係の悩み

学校や職場、家族・子育て、友人の人間関係の悩みも代表的な相談内容です。

「友人との関係がぎくしゃくしている」

「職場の上司とうまくいかない」

「SNSでの人付き合いに疲れた」

このような悩みは感情が絡むため、冷静に考えることが難しくなりがちです。AIは当事者ではないため、感情的にならずに複数の視点を提示してくれます。

また、人間に相談すると

「こんなことで悩んでいると思われたくない」

「相手に迷惑をかけたくない」

と感じることもあります。

AIであればそのような心理的負担が少ないため、気軽に相談できると感じる人も多いようです。

仕事の悩み

AIに相談されるテーマとして特に多いのが、仕事に関する悩みです。

仕事は人生の多くの時間を占めるため、不安やストレスの原因にもなりやすいものです。

相談内容は実にさまざまで、職場の人間関係、上司や同僚とのトラブル、仕事の進め方、転職の判断、就職活動、副業、将来の働き方などがあります。

社会人になると、色々と悩みも増えてきます。そんなときAIは利害関係のない立場から複数の選択肢を提示してくれるため、考えを整理するための壁打ち相手として利用する人も少なくありません。

若い世代に特に多いのが、進路やキャリアに関する相談です。高校生や大学生であれば、「自分にはどんな仕事が向いているのだろうか」「どの学部や業界を選ぶべきだろうか」といった進路相談があります。

就職活動では、自己分析、自己PRの作成、志望動機の添削、面接対策、業界研究

などでAIを活用する人も少なくありません。就職活動における生成AIの利用は、もはや常識化していると言ってもいいです。

お金の悩み

近年では、お金に関する相談をAIへ行う人も増えています。

例えば、家計の見直し、貯金の方法、節約術、投資の基礎知識、NISAやiDeCo、老後資金への不安、副業の始め方などです。

お金の話は友人や家族にも相談しにくいテーマの一つです。

収入や資産状況はプライベートな情報であり、人によっては「こんなことを聞いたら恥ずかしい」と感じることもあります。その点、AIには遠慮する必要がありません。

また、基本的な金融知識や制度については、初心者向けにわかりやすく説明してくれるため、最初の相談相手として利用する人も増えています。

もっとも、投資や資産運用の最終判断については、AIの回答を鵜呑みにせず、自ら情報を確認することが重要です。

恋愛の悩み

AI相談の中でも、特に多いのが恋愛に関する悩みです。

2026年に実施された恋愛・結婚に関する調査では、恋愛について生成AIに相談したことがある人は全体の23.3%でした。

特に若年層になるほど割合が高く、10代女性では47.6%に達しています。つまり約2人に1人が恋愛相談にAIを利用した経験を持っているわけです。

今の若者にとって、もはや恋愛の必須ツールといっても過言では無いかもしれません。

相談内容は、好きな人との接し方からメッセージの作成、喧嘩の仲直りの方法まで幅広いものでした。

「好きな人にどんなメッセージを送ればよいだろうか」

「相手は自分のことをどう思っているのだろうか」

「告白するべきか、それとも今は待つべきか」

こうした悩みは、友人や家族に相談すると恥ずかしかったり、冷やかされたりすることもあります。

その点、AIは何度でも相談できますし、相手に気を遣う必要もありません。実際にSNSでは、「恋愛相談は友達よりもChatGPTにすることが増えた」という声も見られるようになりました。

学校の悩み

学生にとって、学校は生活の中心です。そのため、学校に関する悩みをAIへ相談する人も少なくありません。

例えば、勉強への不安、受験対策、進路選択、部活動の悩み、クラスでの人間関係、先生との関係などです。

「どの大学を目指すべきだろうか」

「自分に向いている学部は何だろうか」

「勉強計画を立ててほしい」

といった相談にAIを活用する学生も増えています。

また、学校生活での悩みは友人や保護者に相談しづらい場合もあります。ここでもAIは利害関係のない相手として話を聞いてくれるため、気軽に相談しやすいと感じる学生もいるようです。

もちろん、進路や学習方法について有益なアドバイスを得られることもありますが、最終的な判断は教師や保護者、進路指導の専門家など人間の意見も参考にしながら行うことが大切です。

メンタルの悩み

近年特に注目されているのが、メンタル面の相談です。

「なんとなく不安だ」

「将来が心配だ」

「気分が落ち込んでいる」

「誰かに話を聞いてほしい」

このような悩みには、明確な正解があるわけではありません。それでも、人は悩みを言葉にすることで気持ちが整理されることがあります。

AIは24時間いつでも応答してくれるため、深夜に不安になったときや、誰にも相談できないときの話し相手として利用されることがあります。

実際にAIへ悩みを相談した人の中には、「答えを求めていたというより、自分の気持ちを整理したかった」という人も少なくありません。

人生そのものについて相談する人もいます。

「自分は何のために生きているのだろうか」

「本当に今の生き方で良いのだろうか」

「これからどんな人生を歩みたいのだろうか」

こうした問いに明確な答えはありません。しかしAIとの対話を通じて、自分の価値観や考え方を整理する人もいます。

かつては哲学書を読んだり、信頼できる大人に相談したりしていたようなテーマについても、AIが対話相手の一つになり始めているのです。

身体や健康の悩み

AIに相談される内容として意外に多いのが、身体や健康に関する悩みです。

例えば、ダイエットや食事、睡眠の悩み、運動や筋トレ、体調不良の原因、病気への不安などが挙げられます。

こうした身体の悩みは、病院へ行くほどではないものの気になっているケースが少なくありません。

例えば症状や状況をAIに伝えると、考えられる原因や一般的な対処法をまとめて教えてくれます。

実際、身体の悩みは恋愛や仕事と同じように、人に相談しにくい場合があります。

些細な症状だと「こんなことで相談するのも大げさかもしれない」と感じることもあるでしょう。

AIはそのような遠慮をする必要がなく、24時間いつでも相談できるため、健康に関する不安を抱えた人たちの新しい相談相手になりつつあるのです。

まとめ

このように、人々がAIに相談している内容は実にさまざまです。

恋愛、人間関係、進路、キャリア、メンタル、身体と健康、そして人生そのもの。

AIは単なる情報検索ツールではなく、思考や感情を整理するための対話相手として利用され始めているんですね。

もちろん、多くの人にとってAIは友人や家族の代わりではありません。それでも、これまで人間だけが担ってきた「悩みを聞く」という役割の一部を、AIが担い始めていることは間違いないでしょう。

【出典】内閣府 生成AI利用者の利用実態に関するアンケート結果 2026年3月31日(内閣府 消費者委員会事務局)