SNSは現代の人々の生活において、もはや欠かせない存在となりました。
日常からビジネスまで、SNSの利用が当たり前となっています。
そして数多くの利便性がもたらされる一方で、様々な問題も生み出してきました。
現代を生きる我々にとって、SNSとの付き合い方は、非常に重要なポイントだと言えます。
しかしながら、そもそもSNSとは一体何でしょうか?
SNSの使い方やビジネス利用に関しては、山ほどの本や記事があります。
しかし、その概要やリスク管理など、教育的な内容のものがまだまだ少ない様に思えます。
そこでここでは、SNSとは何か、その基本から丁寧に解説しました。
その特徴から様々な機能、社会的な役割や、その抱える問題やリスクまで、詳しく取り上げています。
今一度、SNSとは何かを学んでいきましょう。
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SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)とは、インターネット上で人々がつながり、情報を共有するためのプラットフォームのことです。
ソーシャルメディアという言い方もあります。
SNSを利用すると、自分のプロフィールを作成し、友達やフォロワーと繋がることができます。
投稿や写真、ビデオなどのコンテンツを共有し、コメントや「いいね!」などのリアクションを受け取ることもできます。
SNSは、人々が興味や趣味、意見を共有し、新しいつながりやコミュニティを形成する場所として利用されています。
また、SNSはビジネスやマーケティングにも活用され、企業やブランドが顧客と直接コミュニケーションを取る手段としても重要です。
SNSは、人々がオンラインで繋がりを持つための便利なツールであり、情報の共有や交流を促進します。
日本国内における SNSの利用は年々増加しています。現在では8000万人を超えています。
日本の人口が約1億2000万人なので、国内ネットユーザーのほとんどが、なんらかのSNSを利用していると言っていいでしょう。
若い世代だけでなく、中高年の利用も広がっており、もはや国民のほとんどがネットとSNSを使っているのです。
これはスマートフォンの普及が進んできたことが、主な要因だと考えられます。
SNSの利用は増え続け、今や国民のほとんどが利用している。
それでは、利用率の高い主なSNSのサービスを紹介したいと思います。
現状においては、6つの代表的なSNSが存在しています。
LINE、YouTube、Twitter、Instagram、Facebook、TikTokです。
これらのSNSプラットフォームは、それぞれ独自の特徴や利点を持っており、ユーザーにとって様々な用途で活用されています。
LINEは日本で非常に人気のSNSです。テキストメッセージや音声通話、ビデオ通話、写真や動画の共有など、さまざまなコミュニケーション機能を提供しています。また、公式アカウントやトークルーム機能によって、企業やグループでの情報共有やコミュニケーションも可能です。日本においては、情報インフラであり、もはや国民的なソーシャルメディアだと言えるでしょう。
YouTubeは動画共有プラットフォームで、ユーザーは自分のチャンネルに動画をアップロードしたり、他のユーザーの動画を視聴したりすることができます。幅広いジャンルのコンテンツがあり、エンターテイメント、教育、情報など多岐にわたるニーズに応えています。年代を問わず、あらゆる人々が利用しています。
Twitterは140文字の短いメッセージである「ツイート」を投稿することが特徴的です。ユーザーはフォロワーを持ち、他のユーザーのツイートをリツイートしたり、いいねしたりすることができます。リアルタイムの情報共有や、トレンドの追跡によく利用されています。またTwitterは、日本で非常に人気を持つソーシャルメディアです。実はTwitterは、国ごとに利用率が大きく異なります。そして特に利用が多いのが、アメリカ、イギリス、そして日本なのです。そして有名人やスポーツ選手だけでなく、政治家の多くも利用しています。※2023年から『X』に名前が変わりました。
Instagramは写真や短い動画を投稿することに特化したSNSです。ユーザーはフォロワーを獲得し、投稿にいいねやコメントを受けることができます。フィルターや編集機能によって写真を加工することもでき、美しいイメージを重視したプラットフォームです。女性の利用が多いのも特徴です。
Facebookは世界的に有名なSNSで、テキストや写真、動画の投稿、友達の追加、イベントの作成などができます。さまざまなコミュニティやグループに参加することもでき、友人や家族とのつながりを強化するために利用されています。世界的に圧倒的なユーザー数を持ちますが、日本では逆に利用率が割と低めなのが特徴です。特に若者ほど利用率が下がる傾向にあります。
TikTokは短い動画の共有プラットフォームで、音楽やパフォーマンス、コメディなどのエンターテイメントコンテンツが特に人気です。ユーザーは自分のアカウントで動画を作成し、他のユーザーとの対話や共有を通じてクリエイティブな活動を展開します。若者に圧倒的な人気を持つSNSです。逆に年齢が上がるほど、利用率は一気に低くなります。
SNSのサービスごとに様々な特徴があり、ユーザー層も異なる。
それではSNSの基本と特徴を解説していきます。
SNSは、様々な機能を持っており、人々のコミュニケーションや情報共有の手段として、広く活用されています。
他のユーザーとコメントやいいねなどのリアクションを通じて対話し、相互にコミュニケーションを取ることができます。
そしてSNSの特徴としては、リアルタイム性があります。
最新の情報を手に入れるのに、SNSほど適したツールはありません。
また、SNSはプラットフォーム上での広告やマーケティングの活用も盛んであり、ビジネスにおいても重要な役割を果たしています。
SNSでは、ユーザーは自分のプロフィールを作成し、自己紹介や興味関心、写真などの情報を共有することができます。
また、ユーザーはテキスト、写真、動画などのコンテンツを投稿することもできます。またライブ配信によるリアルタイムでのやり取りもできます。
どのプラットフォームでも、手軽で簡単に、こうした投稿を行うことができます。
これによりユーザーは、自分の意見や表現をオンライン上で発信することが可能となります。
SNSでは、ユーザーが興味深い情報やコンテンツをシェアすることができます。
これにより、ニュース、エンターテイメント、トピックの最新情報などが迅速に拡散されます。
ユーザーは他のユーザーとの交流を通じて、情報を発見し、共有することができます。
この拡散力の速さと広さ、その影響力において、SNSというツールは非常に強力なツールです。
ビジネスや社会活動など、様々なキャンペーンやイベントなどの告知に便利です。
またSNSのリアルタイム性の強さは、情報収集のツールとしても有効です。
最新の話題やニュースなど、生きた情報を最も早く手に入れられる場所だと言えます。
特に事件や事故、災害などの際には、現場の様子をいち早く知ることができます。
それと同時に、誤情報や偽情報がとても多いので注意が必要です。
SNSは、ユーザーが興味や趣味に基づいたコミュニティやグループを形成するためのプラットフォームとしても機能しています。
ユーザーは同じ趣味や関心を持つ人々と繋がり、交流することができます。
これにより、新しい友人やビジネスのつながりを作り、交流を促進することができます。
SNSは、コミュニケーションや情報共有に優れたツールである。
SNSは、もはや現代の人々にとっては無くてはならない存在であり、当然ながら社会における影響力もとても大きいものです。
そのことは、誰もが実感している共通認識だと思います。日常からビジネスまで、あらゆる場面においてSNSが広く利用されています。
ここでは今一度、SNSの社会への影響を具体的に見ていきたいと思います。
SNSの役割は、コミニケーションツールです。
しかしながら現代の人々は、SNSを情報収集のツールとしても頻繁に利用しています。
特に若者ほどその傾向が強くあります。SNS上で検索をして、情報収集を行っています。SNSの使いやすさと速報性が重視されているのです。
また、何か気になるトピックがあるとSNSで反応を見る、という使い方が多く行われています。
一方で、ニュースや情報を得るメディアとして、SNSへの信頼性はかなり低いです。
最も頻繁に利用しているものの、そこには多くの信用できない情報がある、という前提が存在しているのです。
SNSは、あらゆるビジネスにおいて、もはや常識的な存在となりました。
企業やブランドが、ターゲットユーザと直接コミュニケーションを取る新たな手法として、マーケティングや広告に広く活用されています。
SNS上では、ターゲットの関心や嗜好を分析し、広告を配信することが可能です。
また、インフルエンサーと呼ばれる発信力のある人たちと提携し、商品やサービスを宣伝することも行われています。
さらに、SNS上のコミュニティやグループに参加し、コンテンツや情報を提供することで、信頼性やブランドの認知度を高めることも可能です。
SNSは、ターゲットオーディエンスとのダイレクトな接触を提供し、効果的なマーケティングと広告の手段として重要な役割を果たしています。
SNSは、政治運動や社会運動においても重要な役割を果たしています。
ユーザーは、SNSを通じて政治的な意見や社会的な問題に関する情報を共有し、広く拡散することができます。
そのため、市民運動の呼びかけや、即時的な情報交換に利用されるケースも多いです。
コロナ禍の日本において、一律10万円給付の政策を実現させたのも、検察庁法の改悪を阻止させたのも、Twitterでの世論の高まりでした。
SNSが、個人の声を社会に届けるメリットをもたらしているのです。
一方で、ユーザーが自由気ままに情報発信できるために、勉強不足からくる質の低さも否めません。それが世論形成にマイナスの影響を与えているという指摘もあります。
またSNSは、世界的にも政治運動に利用されています。
アラブの春やウォール街を占拠せよなどの抗議運動にも、SNSが広く利用されていました。また逆に、政治的な扇動にも利用されやすいです。
ちなみに日本では、2013年の公職選挙法改正によって、選挙運動にソーシャルメディアを利用することが解禁されています。
SNSは、情報収集やビジネス、政治運動や社会運動にも広く活用されている。
SNSは、非常に便利で実用的なツールです。まさに、21世紀を象徴する存在と言ってもいいかもしれません。
しかしながら、便利なテクノロジーというものには、必ず同時に課題やリスクも存在します。
SNSのもたらす負の面を、誰もが感じたことがあると思います。
特にSNSとの接触時間が極めて長い、若い世代への影響が懸念されます。
というわけで、ここではSNSの課題とリスクを、改めて詳しく解説したいと思います。
SNSの利用には、精神的なストレスが非常に発生しやすいです。
アメリカのペンシルベニア大学で、SNSと幸福度に関する研究が行われました。
研究では、SNSの利用頻度が高いほど、自己評価の低下や孤独感の増大が起きやすいことが指摘されています。
逆にSNSの利用を控えるほど、うつ症状や孤独感が軽減される傾向にあることが確認されたといいます。
またSNS上では、人は攻撃的になりやすく、そのため対立が生まれやすい、といったデータもあります。
さらに、SNSの中毒性も懸念されています。誰もがSNSの利用にハマって、時間を浪費した経験があると思います。
これはその人の弱さというよりも、そもそもSNSは、中毒になる様に設計されているのです。
まず、その事実をしっかりと認識する必要があります。
SNSプラットフォームは、利用者が長時間滞在し、頻繁に利用することを促進するために、さまざまな要素を組み込んでいます。ギャンブルの様に、依存症になる様に工夫されているのです。
そして通知や更新される情報に対して頻繁にチェックする習慣が生まれ、SNSから離れることが困難になります。
これによって、日常生活や対人関係に支障をきたすことすらあります。
適切なSNSの利用法や、メディアリテラシーの向上が求められます。
意識的にデジタルデバイスの利用を控えるなど、自己管理の重要性も意識されるべきです。
ハーバード大学医学部などの専門家は、ソーシャルメディアが精神と健康への障害を引き起こす可能性を指摘しています。
SNSの利用は、社会の分断や意見の二極化を引き起こす潜在的なリスクを抱えています。
SNSでは、ユーザーは自身の興味や意見に合致する情報だけに、選択的に接触する傾向があります。
またSNS上では極端な意見が多く、それらに選択的に繰り返し接触することで、意見の分極化が進みやすい特徴があります。
これにより、自己の信念や偏りが強化され、異なる意見や視点に対する理解や対話が欠如する場合があります。
それは、自分の考えに沿わない勢力を排除するという思考でもあります。
またSNSでは、エコーチェンバーという現象が起こります。
同じ意見を持つ人々が集まり、そのコミュニティの中だけで、閉鎖的に相互に自己確認し合う状況が生じることです。
このような環境下では、対立や偏見の増大、社会の分断が進行する恐れがあります。
つまり、SNSでは分断が生まれやすいと言えるのです。
公平な情報収集や異なる意見との対話の重要性を認識し、自己の視野を広げる努力が求められます。
SNSの課題として、フェイクニュースの拡散と、それによる扇動が存在します。
意図的に作られたフェイクニュースは、拡散されやすく誤解を招きやすいです。
特に政治に関するものが多く、それらは人々を扇動して社会的な混乱をもたらします。テロや犯罪、暴動など、治安を揺るがす行為につながる恐れがあります。
フェイクニュースという言葉は、2016年のアメリカ大統領選挙から一般に広く使われ始めたとされます。
ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプの対決でしたが、この選挙戦に置いて大量のフェイクニュースが作成・拡散されたのでした。
2020年からの世界的なコロナウィルスの流行においても,様々なデマや陰謀論が世界中で拡散されました。
WHO(世界保健機関)はそれを「infodemic」と呼び警鐘を鳴らしていました。
さらに近年の生成AIの進化により、フェイクニュースは非常に精巧になっています。これはディープフェイクとも呼ばれます。
画像や動画や音声など、本物と見分けがつかないほど、とても良くできたフェイクコンテンツをつくることができるのです。
これにより、フェイクニュースの増加や拡散がより懸念されており、社会の不安や混乱が生じる可能性があります。
またSNSは、政治的な扇動にも利用されます。
イスラム過激派組織ISは、YouTubeやTwitterなどのSNSを駆使してプロパガンダを拡散していました。
ミャンマーでは、少数民族を弾圧するために、軍部がフェイクニュースを利用していたとされます。
SNS上には、昔から犯罪や違法行為が横行しています。
詐欺や盗難、ストーカー行為などから、ヘイトスピーチや人種差別、違法なコンテンツの拡散など様々です。
そしてSNSは匿名性や広範なユーザー接触を提供するため、個人情報の漏洩やプライバシーの侵害の可能性もあります。
またYouTubeやTikTokなどの動画共有サービスでは、再生回数を稼ぐために、過激な動画を投稿するケースも頻発しています。炎上商法の一種だと言えるでしょう。
迷惑行為や犯罪行為に走るなど、過激化が進み、刑事事件に至るケースが相次ぐなど、社会問題化しています。
SNSは、利便性と共に様々な弊害も生んでいる。
SNSは急速に進化し続けるコミュニケーションツールであり、その将来にはさまざまな可能性が広がっています。
しかし、先述の通り、現在のSNSには課題や潜在的なリスクも存在します。
そのため、プラットフォーム運営者やユーザー自身が積極的に改善策を取り入れることが重要です。
また、社会全体で包括的に課題意識を持って取り組み、SNSの将来を良い方向へ進ませることが期待されます。
社会の分断や意見の二極化に直面する、現代のSNS環境において、健全なオンラインコミュニティの形成はとても重要な課題です。
そのためには、以下の取り組みが求められます。
まず、相互尊重と対話を促すコミュニケーションガイドラインの策定と実施が必要です。
健全な意見交換や異なる立場の理解を促す場を提供し、ヘイトスピーチや攻撃的な言動を抑制することが重要です。
また、情報の多様性を保つために、エコーチェンバーを回避し、異なる意見に積極的に触れることが求められます。
さらに、メディアリテラシーの向上や情報の検証能力の育成も重要です。
健全なオンラインコミュニティを形成するためには、社会全体が共同で努力し、対話や理解を促進する文化を醸成することが必要です。
SNSの安全性を確保するためには、積極的な安全対策の強化が必要です。
プラットフォーム運営者は、不正行為やユーザーの安全を脅かす行為に対して迅速かつ厳格な対応を行う必要があります。
これには、不適切なコンテンツの監視や報告システムの充実、プライバシー保護の向上などが含まれます。
ユーザーも、強固なパスワードの使用や情報の適切な公開範囲の設定、不審なリンクやメッセージへの警戒など、自己のセキュリティを向上させることが重要です。
安全対策の強化は、SNS利用者の安心と信頼の確保に繋がり、より健全なオンライン環境の構築に寄与します。
SNSの将来を考える上で、情報リテラシー教育の充実がとても重要です。
ユーザーには、情報の信頼性や、フェイクニュースの判別能力を身につける機会を提供する必要があります。
教育機関やプラットフォーム運営者は、情報リテラシー教育の充実に取り組むべきです。
行政は学校をはじめとした教育現場で、情報の正確性や信頼性に関する知識とスキルを普及させる必要があります。
そうした情報リテラシー教育の充実は、SNS利用者が情報を適切に評価して、判断する能力を培うために不可欠です。
SNSでは、一人一人の意識はもちろん、社会全体で常により良い環境づくりに取り組むことが重要である。
SNSはコミュニケーション手段として広く利用されていますが、情報のシェア、コミュニティ形成など様々な機能や役割機能があります。
一方で、プライバシー侵害や情報過多、意見の二極化、フェイクニュースの拡散など多くの課題も存在しています。
SNSの将来に向けては、安全対策の強化や情報リテラシー教育の充実が重要だと思われます。
ユーザーとプラットフォーム側、また社会全体での協力により、健全なオンラインコミュニティの形成と、より良い社会形成を目指しましょう。