キュビスムとは何かわかりますか?
それは20世紀の初頭に起こった、革命的とも言える斬新な芸術表現でした。
美術史においても重要な出来事で、その後の芸術家たちの活動に大きく影響を与えました。
ここでは、そんなキュビスムをわかりやすく解説したいと思います。
僕は大学で西洋史を専攻していました。西洋の文化や歴史なら任せてください。
対象の立体性を、多角的な視点から再構築して表現したのがキュビスムです。
20世紀のはじめ、ブラックやピカソが創始した芸術様式で、形状の解体からの再構築という、これまでにない発想による表現方法でした。
物体の形状を把握した上で、それを一端バラバラに解体し、それを自由にまた繋ぎ合わせます。
キュビスムの起こりは、ピカソの『アヴィニョンの娘たち』だったと言われています。
ブラックもすぐにその後に続き、キュビスムの作品を制作し始めました。
そして、ピカソとブラックは共同で作業するようになり、キュビスムの様式を確立していきました。
キュビスムという言葉は、立方体を示すキューブに由来するものです。
キュビスムは、ピカソとブラックが確立した芸術様式です。
当初こそ酷評ばかりだったものの、その斬新さによる衝撃は凄まじく、多くの注目を集めていきます。
そして、時代を代表する芸術表現として、認識されていきました。
キュビスムは、その後の芸術家たちにも、大きく影響を与えることになります。
パブロ・ピカソは、キュビスムを代表するスペインの芸術家です。
ブラックと共に、キュビスムという芸術様式を確立しました。
キュビスムだけでなく、生涯において多くのスタイルで描き、また非常に多作でした。
最も多作な芸術家として、ギネスにも登録されています。
マティスと並び、20世紀を代表する芸術家でもあります。
現代美術史においても、最も有名な人物でしょう。
また絵画だけでなく、彫刻や陶器といった作品も数多く制作しています。
ピカソの代表作『ゲルニカ』は、当時のファシズムを批判したもので、反戦のシンボルとしても有名です。
20世紀のはじめ、パリのモンマルトルに芸術家たちの集合アトリエ兼住宅がありました。それが洗濯船(バトー・ラヴォワール/Bateau-Lavoir)です。ピカソやブラックをはじめ、モディリアーニ、ドンゲン、ドニなど様々な芸術家たちが住んでいました。まだ有名にはなっていない、若き日の巨匠たちが共同生活を送り、作品の制作に励みました。この建物自体は1970年の火災で消失し、焼け残った一部には当時の資料が展示されています。
ジョルジュ・ブラックは、キュビスムを代表するフランスの芸術家です。ピカソと共に、キュビズムを創始しました。
ブラックのキュビスムは、ポスト印象派のセザンヌに影響を受けています。大胆で斬新な作品を、数多く生み出していきました。
またブラックもピカソと同じく、キュビスムだけにとらわれず、様々なスタイルで制作をしています。
ちなみにブラックは、「Black」ではなく「Braque」というつづりです。
今では一般的となった絵画技法のコラージュは、ブラックやピカソがそのはじまりといわれています。キュビスムの作品の中で、絵画におけるコラージュがつかわれはじめたのです。また、キュビスムをはじめ美術の分野では、コラージュ技法を「パピエ・コレ」とも言います。
キュビスムをわかりやすく解説しました。
20世紀はじめに起こったこの芸術様式は、美術における形状の捉え方の革命でした。
美術史上においても、重要な転換点だったと言えます。そして、それを確立させたのがピカソとブラックでした。
その斬新で大胆なスタイルは、多くの芸術家たちに影響を与え、最も有名な芸術様式のひとつとなっていきました。