古代ギリシアの精神や文化は、現代においても深く根付いています。
キリスト教と並び、西洋社会の基盤とされるものです。
現代に至るまで、様々な芸術作品に影響を与え続けてきました。
そんな古代ギリシアの美術を、わかりやすく解説していきたいと思います。
古代ギリシアの歴史や文化を知ることは、西洋文化の理解にもつながりますよ。
その魅力や面白さを感じてみてください。
僕は大学で西洋史を専攻していました。西洋の歴史や文化なら任せてください。
古代ギリシアは、驚くべきほど高度な文化水準に達していました。
学術的な知見が体系的にまとめられ、哲学、数学、医学、天文学、文学、歴史学など今日の学問の基礎が成立します。
また演劇やスポーツ競技も生み出されました。
そうした学問の発展は、飛躍的な技術の向上をもたらします。
技術の向上は文化水準を引き上げ、芸術活動も活発になっていったのです。
古代ギリシアのエラトステネスは、地球の円周をほぼ正確に測定していました。
古代ギリシアの栄えた地中海地域は、暑く乾燥した気候です。果樹栽培に適しており、古代からオリーブやワインが主要な生産物でした。特にオリーブは交易品として重要で、ギリシアの繁栄を支えました。またオリーブは、女神アテナから贈られた聖なる木とされています。
美術においては、素晴らしい彫刻作品がつくられます。
現代の解剖学的に見ても非常に正確で、その技術力の高さを物語っています。
東方のオリエント世界と交わることで、ヘレニズムという文化が生まれ、ギリシア的な芸術が形成されていきました。
またギリシア神話は常にその基盤とされます。
古代ギリシアでは、人間の形が芸術的に最も重要な主題であるとされていました。
そのため、芸術作品も人間をモチーフにしたものが中心です。神々も人間の姿をしています。
一般的にギリシア彫刻は、アルカイック期、クラシック期、ヘレニズム期に分けられます。
アルカイック期の彫刻は、動きがない直立でほぼ左右対称という特徴を持ちます。
ギリシアというよりは、古代エジプトに近いものでした。
しかし、エジプトの彫像よりも肉付きがよく、より理想的な肉体を表現しようとしています。
ギリシア美術の原型があらわれ始めました。
クラシック期になると、動的なポーズがついていきます。
技術の向上による、写実性の高い表現が可能になっていったのです。
アルカイック期よりも、エネルギーに満ちた作品がつくられました。
彫像それ自体が、ストーリーを語れるようになっていったのです。
ギリシア美術の形が出来上がっていきました。
ギリシア美術の完成形がヘレニズム期です。
非常に精巧で、完成度の高い彫刻作品がつくられました。
見るものの心に感動を呼び起こす、まさしく芸術作品です。
エネルギーに満ち溢れ、ストーリーを語りかけてきます。
その技術や精神性は、西洋世界の芸術家たちに影響を与え続けてきました。
ギリシア神話は、古代ギリシア地方において信仰された神話体系です。非常に多くの神々が登場し、様々な物語をつくり上げています。また神々だけでなく、人間の英雄も登場して活躍します。古代から現代に至るまで、西洋世界の思想や文化に大きく影響を与えてきました。
古代ギリシアでは陶器がよく作られ、10万点以上の作品が現存しています。
塗装されることが多く、様々な絵が描かれました。
それらは当時の生活や文化を知る上でも、貴重な史料となっています。
古代ギリシャでは、日常生活でも陶器がよく用いられました。
古代ギリシアは、地中海全域に拠点となる植民地をつくりました。
オリーブと並び、古代ギリシアの重要な交易品がワインです。古くからブドウの栽培によるワインの生産が盛んで、古代ギリシア繁栄の要素のひとつとされます。ここから地中海全体にワイン文化が広まっていきました。
古代ギリシアの建築は、紀元前7世紀頃からその様式が見られます。
装飾が洗練されていて、ドーリア式、イオニア式、コリント式といった建築様式が代表的です。
こうした建築的な特質は、その文化と領土とともにその後のローマ帝国に組み込まれ、ローマ建築に受け継がれていきました。
古代ギリシアの建築様式は、その後の建築の歴史にも大きく影響を与えています。
ゲームソフト『アサシン クリード オデッセイ』では、古代ギリシアの世界を見事に再現しています。細部までよくつくり込まれていて、時代考証も非常によくされています。
古代ギリシア美術をわかりやすく解説しました。
二千年以上も前に、これだけ完成度の高い作品をつくっていたという事実に、いつも驚かされます。
作品自体もそうですが、この美を表現しようとする人間の魂そのものが、何より素晴らしいと思います。
ではご覧いただきありがとうございました。