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「影と陰」の違いとは?ズバリその本質を解説!

「影と陰」の違いは何か分かりますか?

発音も同じで、何となく同じものだと思われていますよね。

ですが、実は両者には明確な違いがあるんです。

美術、写真、映像など、視覚表現の分野では特にしっかりと分けて認識されます。

その違いが分かると、「影と陰」を明確に区別出来ますよ。

ズバリその本質的な違いを、詳しく解説したいと思います。

日本語では「影と陰」の違いが分かりにくい!

日本語では「影と陰」はどちらも「かげ」と同じ読みです。

そして、どちらも光の当たらない暗部のことです。

特に区別せずに、同じものだと認識しているかもしれません。

しかし、この両者にはハッキリとした違いがあります。

日本語では、そこがどうもボヤッとしています。

性質も、その指し示すものも、本来は明確に別のものなんです。

それを詳しく見ていきましょう。

「影と陰」の違いを詳しく解説!

「影と陰」の違いは、何となく曖昧に把握されています。

ちなみに辞書を見てみると

「影」 光が物にさえぎられてできる暗い部分。

「陰」 光の当たらない所。

大辞泉

となっています。

何が違うねん!と突っ込みたくなりますね。

説明が足りなくて、辞書では両者の違いがよく分からないんです。

これでは困りますね。

この2つは同じものではありません。

両者の間には、しっかりとした明確な違いがあります。

簡潔にまとめると、

影は遮蔽物による投影。陰は物体自体にできる暗部。

ということになります。

英語では別の言葉で存在し、ハッキリ区別されています。

ちなみに英語だと

影は “shadow”(シャドウ)、陰は “shade”(シェード)と言います。

では、両者の違いを分かりやすく示してみます。

影と陰は明確に異なります。

分かるでしょうか?

重要なポイントとしては、

  • 影の出来るところは、角度的に光源の方を向いている。
  • 陰の出来るところは、角度的に光源の方を向いていない。

という点になります。

それでは、両者の違いがハッキリと分かるように、それぞれ解説していきますよ。

影とは、何らかの遮蔽物によって生じる投影により光が当たらない暗い部分のことです。

主に地面に出来ることが多いですね。

ポイントとしては、

影の出来るところは本来は光が当たる場所である、ということです。

影の出来るところは、角度的には光源の方を向いているんですね。

それが、何らかの物体の遮りで光が当たらないのです。

本来は光が当たるはずが、何らかの遮蔽物によって日の当たらない暗い部分、それが影です。

そして影は、その遮蔽物の形そのものでもあります。光を遮った物体の形が、そのまま投影されているんです。

光を遮る何らかの遮蔽物の投影が影である、とも言えますね。

ちなみに月食は地球の影です。

陰とは、光が当たっている物体における光が当たらない暗い部分のことです。

ポイントとしては、

陰のできるところは角度的に元から光の当たらない部分だということです。

その物体自体にできる暗部ですね。遮蔽物による投影などは関係ありません。

角度的に光源の方を向いていないので、元から光が当たらないのです。

また陰の部分には、周囲からの反射光が当たります。

ちなみに夜とは地球の陰です。

『画づくりのための光の授業』

まとめ

影と陰の違いを詳しく解説しました。その示すものは、実は明確に異なるんですね。

簡単に言うと、影は遮蔽物による投影。陰は物体自体の暗部。

と言ったところです。

また、光源の方を向いているかどうか、それが両者を区別する際のポイントです。