日本においても、北欧神話の人気が高まってきていると感じます。
映画やドラマ、漫画やアニメにゲームなど、様々な文化作品において、そのモチーフが使われているからでしょう。
そして、恐らく「ユグドラシル」という名は、多くの人が耳にしたことがあるのではないかと思います。
それは北欧神話の世界観を形づくる上で、とても重要な存在です。
ここでは、そんなユグドラシルとは何かを、基本からわかりやすく解説したいと思います。
世界樹ユグドラシル
北欧神話において、世界はひとつの大きな樹であると考えられています。
世界そのものを体現する、その途方もなく大きな樹を中心として、9つの世界が存在しています。
そしてこの巨大な樹が、世界樹ユグドラシルです。エッダによると、ユグドラシルは巨大なトネリコの樹であるとされます。
主神オーディンは、ルーン文字の秘密を得るために、自身の身体に槍を突き刺し、ユグドラシルに9日間首を吊りました。
この様な世界を一つの樹とみなす世界樹のモチーフは、世界中の神話にも共通して見られます。
また、このユグドラシルには、様々な生き物たちが住んでいます。
ユグドラシルの頂上には金鶏がとまり、その根を蛇たちがかじっています。
また4頭の牡鹿が樹皮を食べています。
その表面をリスが駆け回り、鳥から蛇までメッセージを伝言しています。
そしてユグドラシルの3つの根は、それぞれ、ウルズの泉、ミーミルの泉、フヴェルゲルミルの泉という3つの泉に至ります。
ウルズの泉はアースガルズに、ミーミルの泉はヨトゥンヘイムに、フヴェルゲルミルの泉はニヴルヘイムにあります。
ウルズの泉
ウルズの泉は、女神ノルンが管理する神聖な泉です。ノルンは北欧神話における運命を司る三人の女神です。ノルンがこの泉の水を根にかけることで、ユグドラシルは枯れることなく茂っています。神々の国であるアースガルズにあります。
ミーミルの泉
ミーミルの泉は、巨人のミーミルが管理しています。この泉の水を飲むと、あらゆる知識を得ることができるとされます。主神オーディンはこれを飲むため、代償として片目を差し出しました。巨人たちの国であるヨトゥンヘイムにあります。
フヴェルゲルミルの泉
フヴェルゲルミルの泉には、有翼の黒竜ニーズヘッグが住んでいます。またその部下である無数の蛇たちもいます。彼らはユグドラシルの根をかじっています。またこの泉から溢れる水は、いくつもの川となり世界へと流れ出しています。極寒の氷の世界であるニヴルヘイムにあります。
まとめ
北欧神話における、ユグドラシルとは何かわかりやすく解説しました。
それは北欧神話において、世界そのものを体現する巨大な樹です。
このユグドラシルに9つの世界が存在しています。
また、ユグドラシルには様々な生物が住んでおり、その根は3つの泉へと伸びています。
この様にユグドラシルは、北欧神話の世界観を形づくる上で、基盤とも言える重要な存在なのです。