中世ヨーロッパには、現代でも人々を魅了する壮大な建築物が数多く残されています。
高い塔を持つ大聖堂や重厚な修道院、堅牢な城郭などは、中世の人々の信仰や技術、そして社会のあり方を今に伝える貴重な文化遺産です。
この記事では、中世ヨーロッパ建築の特徴を概観しながら、ロマネスク建築とゴシック建築の違いや発展の歴史についてわかりやすく解説します。
中世の建築様式には、ロマネスク、ゴシックという特徴的なスタイルがあります。
そしてキリスト教会の壮大な建築は、当時のあつい信仰心を象徴しています。また同時に、中世において発展・成長した各都市の経済力も反映しています。
自治権を獲得した有力な都市は、その繁栄を誇示する様に、都市の中心部に巨大で荘厳な大聖堂を建設したのでした。
ロマネスクは主に10-12世紀の建築様式で、半円形のアーチや窓が小さく重厚なつくりが特徴です。
ロマネスク建築の傑作。
聖堂は11世紀半ばに着工され、12世紀に完成した。右奥に見えるのが有名なピサの斜塔である。
イタリア中部の西岸に位置し地中海に面する海港都市ピサは、11世紀頃からコムーネ(自治都市)として地中海貿易で繁栄した。ルッカ、フィレンツェなどと共に繁栄し、トスカーナ地方で勢力を誇った。
こうした経済的繁栄を背景として、その富と権力の象徴として大聖堂の建設が進められたのであった。
ゴシックは12-15世紀の建築様式で、高い尖塔に大きな窓、背が高く荘厳なつくりが特徴です。
これらの様式で、ヨーロッパ各地にキリスト教会が建てられました。
またステンドグラスは、ゴシック建築を象徴する装飾です。
大きな窓にはめ込まれたステンドグラスは、多彩な光で内部を明るく照らし出します。
このステンドグラスの流行により、中世の頃はガラス産業も発展しました。
ゴシック建築を代表する教会。
ノートルダムの名称を冠した聖堂や教会は、パリに限らずフランスの各都市のほか、周辺諸国のフランス語圏の地方に多数ある。
しかしながら、パリのノートルダム大聖堂は、王政下・共和制下を問わず、数々の国家的式典・出来事の舞台になった。そのため、フランス史を体現する建造物として名高い。
1302年には、初めて三部会(身分制議会)が召集され、1450年代には、ジャンヌ・ダルクの復権裁判も行われた。また、ナポレオンが1804年に戴冠式を行っている。