ウイスキーの人気は世界中で高まっています。
その中でもシングルモルトは、注目を集め続ける存在です。
蒸溜所ごとの個性の違いを楽しめることが、大きな魅力となっています。
ですがそもそも、シングルモルトとは一体何でしょうか?
シングルモルトを基本からわかりやすく解説!
ということでここでは、シングルモルトとは何かを紹介したいと思います。
その基本から徹底解説していきます。
自分好みの『シングルモルトウイスキー』を見つけてみましょう。
それぞれの蒸溜所の誇りを形にしたもの。それがシングルモルトウイスキーだと言えるでしょう。
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シングルモルトとは?
シングルモルトとは、単一の蒸留所でつくられるモルトウイスキーの総称です。
その蒸留所のモルト原酒だけで、独自につくられたウイスキーのことです。
シングルモルトは、蒸留所ごとの個性が強く出るのが特徴です。
とても香りが良く、また奥深い味わいを持っています。
シングルモルトは蒸留所の個性そのもの!
各地で生産されるウイスキーは、蒸留所ごとに様々な歴史やこだわりがあります。
そしてそれを最もよく表しているのが、シングルモルトだと言えるのです。
シングルモルトには、蒸留所の名前がそのまま付けられることが多いです。
シングルモルトの特徴
それでは、シングルモルトウイスキーの特徴を見ていきましょう。
まさにウイスキーの王道とも言うべき存在です。
麦芽だけのウイスキー
シングルモルトのモルトとは麦芽のことです。
大麦を発芽させたもので、ウイスキーの主原料がこのモルトなのです。
そして麦芽だけを原料としたものを、モルトウイスキーと言います。
一方でトウモロコシやライ麦など、モルト以外を原料としたものをグレーンウイスキーと言います。
① モルトウイスキー
② グレーンウイスキー
③ ブレンデッドウイスキー
その両方を混ぜ合わせたものが、ブレンデッドウイスキーです。
シングルモルトは麦芽だけを原料とした、モルトウイスキーになります。
モルトウイスキー
モルトウイスキーは大麦を原料としたウイスキーです。
香りや味わいが豊かで、クセが強く出ます。
単式蒸留という製法でつくられるので、大量生産には向きません。
グレーンウイスキー
グレーンウイスキーはトウモロコシやライ麦などを原料としたウイスキーです。
香りや味わいは控えめで、クセがなく安定しています。
連続式蒸留という製法でつくられるので、大量生産に向いています。
ブレンデッドウイスキー
モルト原酒とグレーン原酒を混ぜ合わせたものが、ブレンデッドウイスキーです。
クセのない安定した味わいを大量生産できます。
ウイスキー市場の大半はブレンデッドです。
モルト原酒同士を混ぜるのをヴァテッドと呼びます。しかし最近はそれもブレンデッドと呼ぶ様になってきています。
ポットスチルでの蒸留
モルトウイスキーはポットスチルという設備で蒸留されます。
単式蒸留器とも呼びます。
ここで2,3回かけて蒸留を行います。
ポットスチルでの蒸留は、連続式蒸留に比べて時間も手間もかかります。
しかしこの製法を用いることで、豊かで複雑な香りのウイスキーに仕上がるのです。
仕組みとしては、アルコールと水の沸点の違いを利用したものです。
蒸留所ごとの個性
それぞれの蒸溜所ごとに、様々な歴史や製法があります。
使用する水や原料、仕込みや熟成など、こだわりも多種多様です。
またウイスキーづくりには、その土地の気候や環境も影響します。
そしてそんな蒸留所ごとの違いを、最もよく味わえるのがシングルモルトなのです。
シングルモルトに蒸留所の個性が表れる!
その蒸留所で熟成されたモルト原酒だけを用いるからです。
シングルモルトはまさに、蒸留所の顔とも言えるウイスキーなのです。
海の近くの蒸溜所のウイスキーは、潮の香りがします。木々に囲まれた蒸溜所のウイスキーは、森の香りがします。
おすすめシングルモルト
それでは、シングルモルトのおすすめも紹介したいと思います。
基本的にシングルモルトは高級ウイスキーになります。
とても香りが良く、味わい深いウイスキーです。
ご褒美や贈り物にもピッタリですよ。
国産ウイスキー
ジャパニーズウイスキーは、世界的にも高く評価されています。
そしてスコッチにも劣らない、優れたシングルモルトを生産しています。
サントリーとニッカが主なメーカーになります。
山崎
1923年に、日本初のウイスキー蒸溜所として操業したのが、山崎蒸溜所でした。
そこで生み出される、日本を代表するシングルモルトが山崎です。
国際的にも高い評価を得ています。
バニラや果実を思わせる、上品な甘い香りを持ちます。
また甘くなめらかでコクのある味わいです。
白州
南アルプスの自然に育まれたシングルモルト、それが白州です。
森に囲まれた蒸溜所が生み出す、日本の自然の恵みを感じさせるウイスキーです。
また山崎と並び、国際的にも高い評価を得ています。
果実や新緑を思わせる、フレッシュで爽やかな香りです。
そしてフルーティでコクがあり、キレの良い味わいです。
竹鶴
日本ウイスキーの父、竹鶴政孝の名を冠したウイスキーです。
余市と宮城峡のモルトを中心にブレンドされています。
シングルモルトだけを用いたピュアモルトウイスキーになります。
また国際的にも高い評価を得ています。
バニラや果実を思わせる、やわらかな甘い香りを持ちます。
フルーティでいながらコクのある味わいです。
余市
北海道の地でつくられるシングルモルトが余市です。
また世界的にも高い評価を得ています。
余市蒸溜所は、竹鶴政孝がウイスキーづくりの理想の地として選んだ場所でした。
現在世界で唯一とされる、昔ながらの「石炭直火蒸溜」でつくられます。
やわらかな樽の熟成香と、麦芽や果実の甘い香りを持ちます。
味わいは重厚で力強く、スモーキーな余韻が続きます。
宮城峡
竹鶴政孝が余市の次に選んだのは、ふたつの清流が出合う東北の山あいの地でした。
その東北の地でつくられるシングルモルトが宮城峡です。
また世界的にも高い評価を得ています。
とても華やかでフルーティな香りを持ちます。
味わいも甘くフルーティで、バランスが良くコクがあります。
スコッチウイスキー
ウイスキーの元祖であり王道がスコッチです。
とても上品で華やかなフレーバーを持っています。
蒸留所ごとの個性が強く、多種多様なシングルモルトを楽しめます。
ザ・グレンリベット
シングルモルトの原点とも言えるのが、ザ・グレンリベットです。
1824年に政府公認第一号の蒸溜所となったのが、グレンリベット蒸溜所でした。
以降シングルモルトとして世界的な人気を誇ります。
花や果実を思わせる、とても華やかでフルーティな香りです。
味わいはバニラや蜂蜜、果実の甘さ、またナッツの風味なども感じさせます。
モンキーショルダー
近年注目を集めているのがモンキーショルダーです。
スペイサイドの3つのシングルモルトを混ぜ合わせたスコッチです。
竹鶴と同様にピュアモルトウイスキーと言えます。
その品質の高さから、世界的にも高い評価を得ています。
蜂蜜やバニラの甘さ、華やかでフルーティな香りを持ちます。
またモルトウイスキーとしてはお手頃な価格も魅力的です。
ボウモア
潮の香りとスモーキーさが魅力のシングルモルトがボウモアです。
ウイスキーの聖地とも言われるアイラ島で、最古の蒸溜所でもあります。
海に面する貯蔵庫で熟成され、潮の香りを感じさせるウイスキーです。
またスモーキーさと果実を思わせる香りもあります。
味わいもとてもスモーキーで、コクと甘さも感じます。
ラフロイグ
イギリス王室御用達のシングルモルトがラフロイグです。
チャールズ国王のお気に入りで、自ら買い付けに蒸溜所へ来訪することもあるほどです。
ボウモア同様にアイラ島のウイスキーで、潮の香りやスモーキーさが特徴です。
クセが強く個性的な味わいですが、世界中のウイスキー・ファンから愛されています。
とてもスモーキーで、潮の中に薬草の様な香りもあります。
味わいもとてもスモーキーながら、滑らかな甘さも感じさせます。
タリスカー
スカイ島で唯一の蒸溜所でつくられる逸品がタリスカーです。
厳しい自然環境のもと育まれたことで、力強い個性を持つシングルモルトです。
『宝島』の著者であるスチーブンソンは、「King of Drinks(酒の王様)」と評しました。
スモーキーさの中に潮風の様な香りを持ちます。
ドライフルーツを思わせる豊かな甘さの中に、ペッパーの様なスパイシーさも伴います。
ザ・マッカラン
シングルモルトのロールスロイスとも言われるのが、ザ・マッカランです。
世界的な評価も高く、不動の人気を誇る高級ウイスキーです。
厳選されたシェリー樽を使って熟成されます。
バニラや果実を思わせる、上品な甘い香りを持ちます。
味わいはドライフルーツの様な豊かな甘さに、複雑な奥深さも感じさせます。
まとめ
シングルモルトとは何か、わかりやすく解説しました。
それは単一の蒸留所で独自につくられる、モルトウイスキーです。
その蒸留所のモルト原酒だけでつくられ、豊かな香りと味わいを持ちます。
蒸留所ごとの違いを、最もよく味わえるウイスキーです。
蒸留所の顔とも言える存在であり、まさにウイスキーの王道です。