油絵は紙にも描けるのでしょうか?
普通キャンバスに描く油絵ですが、キャンバスはやや値が張ります。
紙に描ければいいのに、と思う人もいると思います。僕もそうでした。
そして実は、油絵は紙にも描けます。
紙に描くことで、練習や試し描きを気軽に繰り返すことが出来ます。
まず必要なのは、紙に下地剤を塗ることです。
ジェッソや油絵の下地剤がいいでしょう。アクリル絵の具でもいいです。
吸収性を非吸収性に変えるのです。つまり、染み込まない画面をつくる訳です。
下地剤を塗らずに直接描くことも出来ますが、油絵らしい仕上がりにはなりません。
また、油が紙に染み込んで滲んでしまいます。
入門書としては『油絵Style & Process』がおすすめです。
ジェッソはアクリル絵の具の下地剤として有名です。
現在では油絵の下地剤としてもよく用いられます。
注意点として、油絵の上にジェッソを乗せることは出来ません。
剥離する恐れがあるからです。
油絵の具メーカー各社から、油絵用の下地剤も販売されています。
ホルベインのクイックベースや、マツダのキャンゾールなどがあります。
また、描いた油絵の上から塗り潰すことも出来ます。
キャンバスの再利用が可能になります。
単純にアクリル絵の具を塗るだけでも下地になります。
耐水性で非吸収性の、油絵を描ける画面が出来ます。
ジェッソ同様に、油絵の上に描くことは出来ません。
では紙の種類は何がいいでしょうか?
これは、なるべく丈夫な厚紙が望ましいです。
やはり油絵は絵の具を厚く塗るので、支持体は硬く丈夫な方が適しています。
イラストボードなどしっかりとした厚紙がいいでしょう。
イラストボードは様々な用途に適した、絵を描くための厚紙です。
コピック、水彩、アクリル絵の具など、様々な用途で用いることが出来ます。
「ケント紙」「ワトソン紙」「タント紙」などなど、使われる紙の材質も大変豊富です。
油絵を描く際は、下地剤を塗るので材質は特に気にしなくていいでしょう。
イラストボードは色々な画材で使えますよ。
紙のメリットは何より安価なこと、手軽なことです。
本番前の練習や試し描きに最適です。様々な実験や研究をしてみるのもいいと思います。
どんどん描いてみましょう!
当然ながら、キャンバスと紙では描き味が異なります。
紙は知っての通り、表面はスベスベなので絵の具の伸びは非常に良いです。
一方でキャンバスは、紙と比べると大分引っかかりがあります。
丈夫な布で出来ていて、表面にはデコボコの目地があるからです。
これに引っかかって絵の具が乗りやすいのですが、紙と比べると伸びは良くないです。
この違いがあることも把握しておきましょう。
油絵は紙にも描くことが出来ます。
その際は、ジェッソなど下地剤を塗ると絵の具のノリが良くなります。
またイラストボードなど丈夫な厚紙が適しているでしょう。
油絵の練習や研究にピッタリです。気軽に試してみてください。