描き方

よく分かる!油絵の描き方の基本的な手順!

油絵に興味はあるが描き方がよく分からない。そういった方も多いのではないかと思います。

そこで、油絵の描き方の基本的な手順を解説したいと思います。

実際に描いている様子と共に、分かりやすく解説していきます。

またテクニックより重要なのが、アイデアやコンセプトです。

自分が何を表現したいかを、大切に描いていきましょう。

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構想、アイデア、コンセプトを決める

まずは構想を練ります。自分のアイデアやコンセプトをまとめます。

実はこの「何を表現したいか」が創作において最も重要です。

それに比べれば、テクニックなど大して重要ではありません。

自分のハートを素直に表現していきましょう。



入門書としては『油絵Style & Process』がおすすめです。

『油絵Style & Process』

構成、構図を決める

次に具体的な構成を決めていきます。

どういった構図にするか、明暗や色調はどうするか、といった具合に決めていきます。

いきなりキャンバスに描くのではなく、まず小さいスケッチをとるといいですよ。

僕のサムネイルスケッチ。A4用紙を適当に分割して描いています。ノート、メモ帳、iPadなど何でも構いません。


構図を練る際におすすめなのが、サムネイルスケッチです。

構図を簡潔に描いた、小さなラフスケッチのことです。

ノートでも、メモ帳でも、iPadでも何でも構いません。小さなラフを描くことで、構図の全体のバランスを把握できます。

思いつく構図はどんどん描き出していきましょう。

また明暗や色調など、画面全体の光と色のバランスを「バリュー」または「色価」と言います(仏語ではヴァルール)。

絵の雰囲気を決める重要な要素です。

こういった準備段階で、ちゃんと設定を決めておくのがとても大切です。

下絵を描く

実際に描き始める際は、まず下絵から描いていきます。

下絵の描き方は主に3パターンです。おつゆ描き、木炭、カーボン転写、の3つです。

  • おつゆ描き
  • 木炭
  • カーボン転写

油絵の下絵はある程度アバウトでも問題ありません。大まかな配置や位置関係が分かる程度で大丈夫です。

おつゆ描きは、油絵具をオイルで薄く溶いて描く方法です。水彩ぐらいサラサラの状態で描きます。

使用するのは揮発性油です。

揮発性油だけで描くと、早く乾きツヤのないマットな画面になります。

木炭で描く場合は、必ずフィキサチーフという定着剤で線を保護する必要があります。

そうしないと、絵の具で上から描いた際に、線が溶けて流れてしまいます。

カーボン転写の場合は、まず紙に描いてからカーボン用紙でキャンバスに写します。

木炭と同様にフィキサチーフで線画を保護する必要があります。

着彩

本塗りに入っていきます。

使用するオイルは主に乾性油です。

油絵の描き進め方は、基本的に暗部から明部の順番です。

メインのオブジェクトを描き、その後背景を描いていきます。

実際の制作の様子と共に、解説していきます。

おつゆ描きで下絵を描いた状態です。ツヤのないマットな状態です。おつゆ描きや地塗りは揮発性油で行います。

まずは暗部を描いていきます。使用するオイルは乾性油です。
次に中明部を塗ります。陰の部分に反射光をを加えることで、写実感、立体感が増します。

続いて明部を描いていきます。中明部の上から明部を重ねることで、立体感が増します。

背景を描き込んでいきます。メインと同じで、暗部から明部の順番です。

更に明るく色を重ねます。油絵は明部の上から明部、暗部の上から暗部を重ねることで、一層色の深みが増します。

一番上からハイライトを描き込みます。油絵はこのように、レイヤーによる階層構造を組み立てて描いていきます。

完成作品

最初のうちは、果物や野菜などのモチーフが、描きやすくていいでしょう。

慣れてきたら、人や風景など色々と描いてみましょう。

『画づくりのための光の授業』はおすすめ本です。とても科学的かつ論理的に解説がされています。

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乾燥したら画面を保護

油絵が乾燥したら、ワニスなど樹脂をコーティングして画面を保護するのがオススメです。

ホコリやガスから画面を守る役割があります。

また、画面全体に均一な光沢を与えることが出来るので、見栄えもよくなります。

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まとめ

油絵制作の基本的な手順を紹介しました。

ここに示した手順は、あくまでスタンダードなものです。

参考にしても、すべてきっちり従う必要などありません。

自分にとって役立ちそうなものを、取り入れていだだけばいいです。

十人いれば十通りの描き方があるからです。ルールなど無く自由です。

そして何より、自分の思うままに、自由に楽しみながら描いていきましょう!