長らく芸術の中心として栄えたパリ。
近代以降の西洋美術において、数多くの芸術家を生み出しました。
それが20世紀に入ると、ニューヨークが主役の座を取って代わことになります。
なぜそうした変化が起こったのでしょうか?
まず1940年代に、抽象表現主義という一大芸術運動が起こります。
抽象表現という今までにない美術様式で、ジャクソン•ポロックや、マーク•ロスコなどが活躍しました。
この運動により、パリに変わりニューヨークが芸術の中心地となっていったのです。
その背景としては、第二次世界大戦の戦火を避けて、ヨーロッパから大勢の芸術家たちが移住してきたことがあります。
美術家、音楽家、建築家、デザイナーなど多くの文化人がやってきたことで、アメリカにおける芸術活動が先鋭化したのです。
また続くポップアートの運動によって、ニューヨークは芸術の中心としての地位を、さらに不動のものにしていきました。
20世紀という時代は、大量生産・大量消費の時代の始まりでした。
ポップアートを中心として、芸術活動もその影響を大きく受けます。
アンディ•ウォーホル、ロイ•リキテンシュタインといった芸術家が、その要素を取り入れ活躍しました。
この大量生産・大量消費の様相は、まさに現代社会の風景そのものです。
ニューヨークはまさにその象徴としても、うってつけだったと言えるでしょう。