西洋美術史

バロック美術とは豪華で華麗な芸術文化である!

バロック美術とは何でしょうか?

ルネサンスの後に西洋諸国で広まった、美術史上でも重要な芸術様式です。

レンブラントやフェルメールといった、そうそうたる顔ぶれが活躍しました。

そんなバロック美術を、わかりやすく解説したいと思います。

歴史的な背景から、代表的な芸術家とその作品まで、合わせて紹介していきます。

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バロック美術とは?

17世紀から18世紀のヨーロッパ諸国における、絶対王政などを背景とした芸術様式をバロックといいます。

華やかな宮廷文化がこの時代の特徴です。

バロック美術の特徴
  • 絶対王政を背景とした宮廷文化
  • 豪華で華麗な装飾や表現
  • 黄金期にあったスペインやオランダの影響

その影響は絵画、彫刻、文学、建築、音楽などあらゆる芸術領域に及びました。

動的な躍動感、凝った装飾の多用、強烈な光の明暗の対比などが特徴です。

ルネサンスの頃よりも、一瞬の感情や情熱の表現を追求していました。

『バロックの光と闇』は、入門書としておすすめです。

『バロックの光と闇』

絶対王政

近世に入ると新しい政治や社会思想が生まれ、近代的な主権国家体制が確立していきます。

この頃の西洋社会は、集権化により絶対王政が最盛期を迎えていました。

各国の王が絶対的な権力を持っていたのです。

また植民地政策によって覇権を広げた西洋世界は、名実ともに世界の中心となっていきました。

芸術の分野も、王族や貴族の文化を中心として盛んになります。

ルネサンス、大航海時代を経て、西洋諸国は世界中に植民地を広げていきました。


ヴェルサイユ宮殿

バロック建築の傑作が、ルイ14世がつくらせたヴェルサイユ宮殿です。国王の絶大な権力を誇示する、華麗で豪華な様式になっています。豪華な建物と広大な美しい庭園から成り、絶対王政を象徴する建築物といえます。

スペイン・オランダの発展

バロックの時代において台頭したのが、スペインとオランダでした。

海上交易並びに植民地からもたらされた富で、黄金時代と呼ばれる繁栄を築き上げます。

共に優れた海軍戦力を持っていたことも大きな要因です。

そして、国家の発展により芸術活動も盛んになりました。

かくして、バロックを代表する芸術家たちが、次々と生まれていったのです。

スペインは中南米を、オランダは東南アジアを中心に、植民地支配を広げました。

日本の鎖国とオランダ

ヨーロッパで唯一、鎖国中の日本と取り引きを続けていたのがオランダでした。幕府は長崎に出島を建設し、貿易を行いました。キリスト教の布教ではなく、貿易のみを目的とすると約束したため、活動を認められたとされます。

バロック美術を代表する芸術家

バロックを代表する芸術家は、ルーベンス、カラヴァッジョ、ベラスケス、レンブラント、フェルメール、ベルニーニなどです。

画家たちは風景画、静物画、肖像画、歴史画、風俗画など、さまざまなジャンルの作品を描きました。

また特筆すべきはオランダの芸術家たちです。

その絵画技術は非常に高く、その後の美術界にも影響を与え続けました。

ダイナミックな構図、明暗の強い対比、華麗なるバロック美術の特徴です。

ルーベンス

ピーテル・パウル・ルーベンスは、バロック期を代表するフランドルの画家です。

大規模な工房を経営し、神話を題材にした壮麗な絵画作品を数多く生み出しました。

また、外交官としても活躍します。

スペイン王フェリペ4世とイングランド王チャールズ1世から、それぞれナイト爵を授かりました。

荘厳かつダイナミックで、躍動感溢れる作風が特徴です。

その大胆で華麗スタイルは、まさにバロック美術を代表しています。

ルーベンスを徹底解説しているのが『ルーベンス回想』です。

『ルーベンス回想』

カラヴァッジオ

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオは、バロックを代表するイタリアの芸術家です。

高い写実性と明暗の強い対比による、ドラマチックな作風が特徴でした。

バロックの特徴とも言える力強い明暗法は、カラヴァッジオが確立したものであるとされます。

そのドラマチックな明暗法は、キアロスクーロと呼ばれます。

『カラヴァッジョ伝記集』はおすすめです。

『カラヴァッジョ伝記集』

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ベラスケス

ディエゴ・ベラスケスは、スペインの黄金時代を象徴する芸術家です。

スペイン王家の宮廷画家として仕え、優れた絵画作品を生み出しました。

その後の芸術家たちにも大きく影響を与えます。

印象派を代表する芸術家のマネは、ベラスケスを「画家の中の画家」と呼びました。

またピカソもベラスケスから影響を受けており、『ラス・メニーナス』をモチーフとした作品を描いています。

『宮廷人ベラスケス物語』では、その生涯と功績が綴られています。

『宮廷人ベラスケス物語』

レンブラント

レンブラント・ファン・レインは、バロックを代表するオランダの巨匠です。

明暗のコントラストによる光の印象を巧みに用いて、雄大でドラマチックな作品をつくりだしました。

その技術力の高さから、「光の画家」「光の魔術師」などと呼ばれます。

バロックの特徴である明暗法を巧みに用いて、独自のスタイルを確立しました。

優れたライティング手法である人物の斜め上からの照明は、レンブラントライトとも呼ばれます。

フェルメール

肖像画は未確認

ヨハネス・フェルメールは、レンブラントと並びオランダの黄金時代を代表する芸術家です。

綿密な空間構成と光による巧みな質感表現を特徴とします。

その場の空気感まで伝わってくる様な高い表現力を駆使して、数々の傑作を生み出しました。

その圧倒的とも言える芸術センスは、現代においても多くの人を魅了しています。

ちなみにダリは、その著書で歴史上の芸術家たちを採点していて、フェルメールに最高点をつけています。

『中野京子と読み解く フェルメールとオランダ黄金時代』は、おすすめ本です。

『中野京子と読み解く フェルメールとオランダ黄金時代』

ベルニーニ

ジャン・ロレンツォ・ベルニーニは、バロックを代表するイタリアの彫刻家です。

極めて精巧かつダイナミックな数々の作品は、「芸術の奇跡」と呼ばれました。

サン・ピエトロ広場の設計を始め、ローマ市内における様々な場所に優れた彫刻作品をつくりだしました。

ローマはベルニーニの手によって、華麗な装飾あふれる美しい都に変貌していったとも言われています。

かつてイタリアの通貨であったリラの紙幣には、ベルニーニの肖像が使われていました。

『Bernini (Penguin Art & Architecture) (English Edition)』

サロンとコーヒーハウス

17、18世紀には社交的な交流の場が発展しました。フランスでは貴族を中心としてサロンが生まれます。宮廷や貴族の邸宅で、芸術や思想などを論ずる会合が開かれました。イギリスでは階級に関係なくコーヒーハウスがにぎわいを見せました。現代のカフェの起こりといえます。カフェ文化はその後フランスでより発展していきます。

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まとめ

バロック美術を、その時代背景から代表的な芸術家たちまで、わかりやすく解説しました。

それは絶対王政を背景とした、豪華で華麗な芸術様式でした。

また黄金期にあったスペインやオランダの芸術家たちの活躍が特徴的です。

まさに西洋美術の王道とも言える様な、荘厳華麗な文化であったと言えるでしょう。

それでは、ご覧いただきありがとうございました。