西洋美術史

ロココ美術とは優雅なる貴族たちの文化である!

ロココ美術が何かわかりますか?

バロック美術に続き、ヨーロッパで広まった芸術様式です。

繊細優美なロココの世界を学ぼう!

それは貴族たちを中心とした、華やかで優雅な芸術文化でした。

ここでは、そんなロココ美術をわかりやすく解説したいと思います。

時代背景や重要なポイントを抑えながら説明していきます。

単に美術のことだけでなく、様々な流れやつながりを発見できると思いますよ。

僕は大学で西洋史を専攻していました。西洋の歴史や文化なら任せてください。

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ロココ美術とは?

18世紀のフランス宮廷を中心に始まった芸術様式を、ロココと言います。

つる草や貝殻を模したロカイユ模様が、その語源と言われます。

バロックに続き絶対王政を背景としたものですが、貴族たちの文化がより強く影響しています。

ロココ美術の特徴
  • 貴族たちのサロン文化が中心となる
  • 繊細で優美、やわらかで女性的な表現
  • 磁器の製造と発展に影響

荘厳華麗なバロックに対して、ロココは繊細優美といった特徴を持ちました。

花や草といった植物をモチーフに、曲線を多用した優美なデザインが特徴です。

また、シノワズリという当時流行した中国趣味とも融合します。

絵画、建築、音楽など様々な芸術活動に広まりました。

貴族のサロン文化から発祥

ロココ美術の基盤となるのが貴族のサロン文化です。

サロンとは17世紀頃から始まった宮廷文化で、文化人たちを宮殿や邸宅に招き開かれた会合のことです。

この貴族中心のサロン文化から、ロココ美術は形成されました。

また王族や貴族の夫人といった、女性たちが深く関わったことも特徴と言えます。

サロンの多くで女性たちが運営の中心となっていたのです。

そのためロココは、繊細で優美といった女性的な性格を持ちました。

ポンパドゥール夫人

ルイ15世の公妾で、ロココ文化の立役者となったのがポンパドゥール夫人です。サロン文化の全盛期を築き、哲学や芸術を保護して国政にも関与しました。ヴォルテールやディドロといった哲学者たちとも親交が深かったようです。また、王立磁器製作所の設立を支援して、セーブル焼きの誕生にも貢献しました。

磁器の製造と発展にも影響

ロココ美術はヨーロッパにおける磁器の製造と発展にも影響します。

元々ヨーロッパに磁器はなく、中国からの交易品のみでした。

それらは誰もが憧れる高級品でした。

この磁器の製造が、ヨーロッパ各地で始まったのがロココの時代です。

王や貴族の保護や奨励により、高品質な磁器の製造が可能になっていったのです。

フランスのセーブル焼き、ドイツのマイセン磁器、イギリスのボーンチャイナなどが生まれました。

マイセン、ウェッジウッド、ロイヤルコペンハーゲンなどなど、現代にも残る高級メーカーたちがあらわれていきました。

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サンスーシ宮殿

ロココ様式を代表する建築がサンスーシ宮殿です。プロイセン王国のフリードリヒ2世によって建てられました。東西約100メートルの小規模な宮殿です。曲線中心の優美な装飾が施されています。

ロココ美術を代表する芸術家たち

それでは、ロココ美術を代表する芸術家たちを紹介していきます。

ヴァトー、ブーシェ、フラゴナール、ラトゥール、シャルダンなどがそうです。

その代表作品と共に見ていきましょう。

ヴァトー

アントワーヌ・ヴァトーは、ロココを代表するフランスの芸術家です。

のどかな自然の中での、宴会の風景をよく描きました。『シテール島への巡礼』がその典型です。

こうした、田園に集い戯れる様子を描いたものを雅宴画(がえんが)と呼びます。

ブーシェ

フランソワ・ブーシェは、ロココ美術を代表するフランスの芸術家です。

肖像画や上流階級の生活、神話をモチーフにしたものなど、数多くの作品を生み出しました。

フラン国王のルイ15世と、その公妾のポンパドゥール夫人からの信頼も厚く、壁画装飾、タピスリーや磁器の下絵制作、舞台装飾など幅広い仕事をこなしました。

フラゴナール

ジャン・オノレ・フラゴナールは、ロココ美術を象徴するフランスの芸術家です。

ブーシェ、シャルダンに師事して絵画を学び、上流階級の生活を享楽的で優美なタッチで描きました。

その華やかで甘美な作風は、まさにロココの特徴と雰囲気をよく表しています。

ラトゥール

モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥールは、ロココ時代のフランスの芸術家です。

肖像画家として有名で、王や貴族をはじめ著名な文化人など、様々な人物を描きました。

あのルソーやヴォルテールも描いています。

また油彩ではなく、パステルを用いていたことも特徴的です。

魅惑的な色彩と、モデルの心の機微を表す繊細な描写によって人気を得ました。

シャルダン

ジャン・シメオン・シャルダンは、ロココ時代の芸術家です。

その作風は甘美で享楽的なロココ様式とは一線を画し、何気ない日常の生活を詩情豊かに描き上げました。

シャルダンの作品の真に迫った写実表現は、17世紀のオランダ絵画の影響だと考えられています。

また、後の印象派の先駆者と呼ばれることもあります。


女性画家の活躍

ロココ時代は絵画の分野でも女性たちが活躍しました。フランス王立アカデミーに入会した二人の女性、ギアールとルブランがその代表です。二人とも高い技術を持った素晴らしい芸術家でした。

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まとめ

ロココ美術を時代背景と共にわかりやすく解説しました。

それは貴族のサロン文化を中心とした、優雅でやわらかな芸術様式でした。

歴史や文化がわかると、理解が格段に深まると思います。

また様々な文化や出来事とのつながりを知ることで、興味や関心も一気に上がります。

やはり美術も楽しんで学ぶのが一番だと思います。

それではご覧いただきありがとうございました。