ChatGPTはじめとした生成AIの利用は、プロンプトの入力がほぼすべてだと言えます。
そのため、プロンプトの使い方を知っておくと、グッと使いこなせる幅が広がります。
ここでは、ChatGPTを活用する上での、プロンプトの基本とコツを、初心者向けに解説していきたいと思います。
特に難しいものではありません。誰でも簡単に覚えることができます。
基本をサクッと覚えて、ChatGPTを使いこなしていきましょう。
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ChatGPTとは?
ChatGPTは、OpenAIによって開発された、自然言語処理を専門とした生成AIです。
大規模言語モデルと呼ばれる、人工知能になります。
大量のテキストデータを学習しており、人間の様に自然な会話や、論理的で高度な文書作成ができます。
ChatGPTは、2022年11月30日にリリースされた直後から、爆発的な勢いで利用が拡大しました。
一般的なチャットボットに比べて、多様なトピックに対する理解力が高いです。
そして表現力も極めて高く、人間の自然な会話に近い、高度な応答が可能です。
プロンプトとは?
プロンプト(Prompt)とは、生成AIモデルに対して与える、指示や文脈のことを指します。
生成AIに対して、どのような回答をしてほしいのか、指定するために使用されます。
要は、AIに対して打ち込む文章のことです。
このプロンプトが、ChatGPTはじめ、生成AIの使い方のほぼすべてだと言えます。非常にシンプルなんですね。
質問や命令や指示など、何らかの文章を入力すると、それに対してAIが回答してきます。
適切なプロンプトを提供することで、より正確で精度の高い回答を得ることができます。
プロンプト5つの基本
それでは、プロンプトの基本を解説していきます。
以下が、ChatGPTを活用するための、プロンプトの基本です。
- 具体的に言う
- 指示や命令を出す
- 丁寧な言葉を使う
- 状況を設定する
- 条件やスタイルを指定する
まず基本的に、ちゃんとした日本語の文章が書ければ問題ありません。
というか、ChatGPTの場合それがすべてです。
プロンプトとかいう響きに、何か高度な知識がいるの?とか思ってしまうかもしれません。
しかし全然そんなことはありません。
そもそもChatGPTは、大規模言語モデルという、自然言語処理を専門とした人工知能です。
つまり、自然な言葉を使うことで、最もその性能を発揮するのです。
プロンプトは、コンピュータへのコマンドではありません。プログラミングのコードでもありません。生成AIへの指示文です。
そしてChatGPTが読み込んでいるのは、あくまで自然言語です。
なので、無駄に記号や複雑な構造を使う必要はありません。むしろ逆効果だと思います。
自然な言葉を使ったプロンプトの方が効果的です。つまり、普段使っている表現方法でプロンプトを書くことが、最も効果的な使い方なんです。
人が読みにくい文章は、ChatGPTも理解しにくい可能性が高いと言えるでしょう。
なので、明確でわかりやすい文章を組み上げることが、ChatGPTの活用におけるプロンプトの基本です。
ChatGPTを使う上で重要なのは、文章術だと言えるかもしれませんね。
1、具体的に言う
プロンプトは、具体的に言うことが基本です。
主語もなるべく省略せず、ハッキリと明確な文章を入力しましょう。
ChatGPTは、具体的な質問や指示を与えることで、より適切で優れた回答を出すことができます。
抽象的で曖昧な言い方は良くありません。
ChatGPTは人間ではなく、あくまでプログラムです。気持ちを察するとか、行間を読むとかいうことはできません。
こちらの意図を、なるべく詳しく具体的に伝えていく必要があります。
また、与える指示は、なるべく簡潔にしましょう。複雑な表現は避け、必要な情報や要件にポイントを絞ります。
具体的で簡潔な文章ほど、ChatGPTが理解しやすく、回答の精度が上がります。
句点「。」を意識的に多く打ち、一文をなるべく短くするのがコツです。
2、指示や命令を出す
ChatGPTに対しては、質問形式だけでなく、指示や命令の形式を使うと効果的です。
「〜してください」という形ですね。
そうすることで、こちらの意図もよりハッキリと伝わります。
そして具体的に指示を与えていくことで、より回答の精度を上げられます。
状況に合わせて、指示や命令の形式を用いていきましょう。
3、丁寧な言葉を使う
ChatGPTに対して質問や指示を出すときは、なるべく丁寧な言葉を使いましょう。
ChatGPTは、人間の様なコミュニケーションを理解しようとする人工知能です。相互尊重と礼儀を重視する様にプログラムされています。
そのため、適切な言葉遣いを用いることで、より良い回答を得ることができます。
「答えろ」とか「やれよ」とかいった表現は避けた方がいいでしょう。
そのような表現を使うと、AIモデルは反応が難しいと判断するかもしれません。つまり、良い回答を得られなくなる可能性があります。
相手に対する無礼や攻撃的な態度は、円滑なコミュニケーションとは真逆のものですよね。
ChatGPTは、高度な言語理解力を持った人工知能です。また共同作業のパートナーです。
現実社会と同じ様に、丁寧な言葉遣いと礼節のある振る舞いを心がけましょう。
4、状況を設定する
プロンプト入力のコツとして、状況の設定があります。
あなた自信がどんなシチュエーションであるのかを、まず具体的に伝えます。
そして、その状況下において相応しい回答を、ChatGPTから引き出すのです。
例えば、「Twitterの投稿ネタが尽きています」「新しい企画を考えています」「これから面接試験があります」などです。
なるべく状況を詳しく伝えることで、より回答も適切なものになります。
そして、質問や指示や命令を加えます。
「アイデアを出してください」「対策を考えてください」「予測をしてください」などです。
こうすることで、ChatGPTが状況に合わせた回答をつくり出してくれます。
5、条件やスタイルを指定する
ChatGPTの回答の仕方に対して、具体的な指示を出すことができます。
それが、条件やスタイルの指定です。
これはChatGPTを活用する際に、非常に有効です。
ChatGPTの回答の内容を、さらに細かく制御することができる様になります。
例えば、「300字以内で回答してください」「箇条書きでリストアップしてください」「ポエムスタイルで語ってください」などです。
この様に条件やスタイルを設定することで、よりこちらの意図を細かく反映した回答が得られます。
プロンプトに様々な条件やスタイルを指定して、ChatGPTのより良い回答を引き出しましょう。
プロンプトの書き方
プロンプトの基本的な書き方を解説します。
まずは、先述のプロンプト5つの基本を軸としましょう。
また、メモ帳などのテキストエディタ上で、プロンプトをつくるといいでしょう。
条件やスタイルをいくつか指定する際には、その方が使い勝手がいいと思います。プロンプトが整ったら、ChatGPTにコピペして使用します。
そして、プロンプトの書き方の基本を簡潔にまとめると、以下の通りです。
- まず何がしたいのか、自分の目的を明確にしましょう。自分のやりたいことをハッキリと決めることが最初のステップです。
- それから、フォーマットや構造を決めます。質問形式か指示形式かなど、適切な構造を選択してプロンプトを作成しましょう。
- 次にプロンプトを実際に書いていきますが、具体的で簡潔な指示を使用します。先述の通り、プロンプトの指示は明確で簡潔であることが重要です。曖昧なことや関係ないことは避けるようにしましょう。また、指示文はプロンプトの冒頭に配置するのが基本です。
- 続いて、ChatGPTに必要な情報を提供していきます。条件の指定や、翻訳・要約したい文章などが代表的です。また、条件などの補足情報は、指示文の下に配置することが基本です。また指示文との間を区切るための記号として、「###」を使用することが推奨されています。プロンプトが長めのときなどに有効です。
- プロンプトを作成したら、実際に何度もテストしてみましょう。モデルの回答や結果が期待通りであるかどうかを確認し、必要に応じて修正や微調整を行います。
以上がプロンプト作成の基本です。
これらの基本的なガイドラインに従ってプロンプトを作成することで、ChatGPTの効果を実現しやすくなります。
回答精度を上げるプロンプトのコツ
それでは、ChatGPTの回答精度を上げるための、プロンプトのコツを紹介していきます。
これらの手法を用いることで、ChatGPTから、より具体的で効果的な応答や情報を引き出すことができます。
また、異なるパターン同士を組み合わせるのも有効です。そうすることで、様々なプロンプトを生み出せます。
基本を軸にしながら、自分の使用ケースに応じてプロンプトを工夫していきましょう。
文脈を提供する
「『七人の侍』の詳細を教えてください」
↓
「私は映画が好きで、最近気になる作品は『七人の侍』です。この映画の詳細について教えてください」
単純に質問するよりも、質問の前後の文脈や、背景情報を提供してみましょう。
ChatGPTは、よりあなたに合わせた、適切な回答を生成することができます。
会話の継続を促す
- 「その〜ついてもう少し話してください」
- 「その〜とは何ですか?」
- 「他にはありますか?」
ChatGPTが回答をした後で、続けて文脈に沿ったプロンプトを打ち込むことで、さらに欲しい情報を引き出せます。
ChatGPTの回答に対して、さらに深く聞いていくのです。
そうすることで、自分の欲しい情報を、より引き出していくことができます。学習の際にも役立ちますよ。
難易度を下げる
- 「わかりやすく解説してください」
- 「初心者でもわかるように解説してください」
- 「小学生でもわかるように解説してください」
ChatGPTは、とても優秀な生成AIです。難しく専門的なトピックにも答えてくれます。
しかしながら、詳しすぎて逆に回答がわかりにくい場合も結構あります。
そんなときは、難易度を下げるプロンプトを活用しましょう。
ChatGPTが、より噛み砕いたわかりやすい表現をしてくれます。
意見やアドバイスを求める
- 「どうすればいいでしょうか?」
- 「おすすめの方法はありますか?」
- 「どう思いますか?」
ChatGPTに、アドバイスを求めるのも有効な活用法です。
自分の状況を詳しく伝えて、率直に聞いてみるといいです。
ChatGPTは、様々な知見を参照しながら、あなたの状況に合わせた回答をしてくれます。
専門家としての役割を与える
- 「あなたはプロの〜です」
- 「あなたは〜の専門家です」
ChatGPTに、プロの専門家としての役割を与えてみましょう。
その分野に関連する質問や問題に対して、より精度の高い回答ができる可能性があります。
ChatGPTが、専門家になりきって回答してくれますよ。
※ポリシー上や倫理上の理由などから、ChatGPTが専門家としての役割を担うのが難しい職業もあります。代表的なものは、政治家、医者、弁護士、金融コンサルタントなどです。
アイデア出し
- 「アイデアをいくつか出してください」
- 「例をいくつか挙げてください」
- 「構成を考えてください」
「アイデア出し」は、とても有効なChatGPTの活用法です。
例えば、見出しやタイトル、キャッチコピー、イベントや大会におけるテーマやスローガン、新商品の名称など、幅広く応用できます。
このアイデア出しって、人間がやると結構時間がかかるんですよね。
そんなときChatGPTを活用することで、大幅に時間を短縮できると思います。
まずChatGPTに、アイデアを一挙に出させます。
その中から良いものをピックアップして、さらに自分でブラッシュアップしていくのがおすすめです。
キャラ変させる
- 「◯◯風に回答してください」
ChatGPTを、キャラ変させることもできます。
キャラクター設定を与えると、ChatGPTがそのキャラになりきって回答してくれるのです。
「ラッパー風に」「ギャル風に」など、様々なキャラ設定ができます。
面白いだけでなく、実用性も高いと僕自身は考えています。学習サポートなどに活用すると効果的なんです。
なぜなら、難しい内容を、とても噛み砕いた身近な表現に変えてくれるからです。
文字数を抑制させる
- なるべく簡潔に回答してください
- 〜文字以下で回答してください
- 簡潔にまとめてください
ChatGPTは、とても優秀で親切なので、どんな些細な質問にも丁寧に答えてくれます。
しかし、逆にそれが余計になることがあります。その最たる例が、文字数の多さです。
いつも長文だと、こちらもすべて読むのが大変ですよね。文字数を抑制させるプロンプトを、有効に活用しましょう。
除外させる
- 「〜は除いてください」
- 「〜は避けてください」
除きたい情報を、あらかじめ伝えることも有効です。
それにより、ChatGPTは指定されたトピックや情報を避けて回答します。
自分が欲しい形の情報を、より正確に得ることができるでしょう。
比較を求める
- 「AとBの違いは何ですか?」
- 「それぞれの利点と欠点は何ですか?」
- 「どちらを選ぶべきですか?」
ChatGPTに、様々なものごとの比較をしてもらうのも、有効な利用法です。
商品やサービスはじめ、あらゆるものを比較してくれます。自分の用途に合わせて、活用してみましょう。
手順やガイド
- 「〜を始めるためにはどうすればよいですか?」
- 「〜の手順を教えてください」
ChatGPTに、何かに取り組み始めるときの、手順やガイドを頼んでみるのも有効な使い方です。
とても詳しく丁寧に、解説をしてくれます。学習のサポートなどにも効果的です。
予測を求める
- 「〜の場合どうなりますか?」
- 「〜したらどうなりますか?」
ある状況を仮定して、その場合の結果の予測を、ChatGPTに聞いてみるのも有効です。
ChatGPTは、非常に幅広い分野を学習しているので、それらの知見をもとに、想定される様々な可能性を考え出してくれます。
プロンプトをつくらせる
- 「どの様なプロンプトがいいでしょうか?」
- 「プロンプトの例をあげてください」
どの様なプロンプトが良いのか思い浮かばないときなどは、ChatGPT自身にプロンプトをつくってもらいましょう。
自分のやりたいことを、明確にわかりやすく伝えていけば、適切なプロンプトを考案してくれますよ。
汎用性の高いプロンプト一覧
それでは、本記事で紹介したものを中心に、便利で汎用性の高いプロンプトを、一覧でまとめておきたいと思います。
コピペしたりパクったりして自由に利用してください。
カテゴリー | プロンプト |
難易度を下げる | わかりやすく解説してください 初心者でもわかるように解説してください 小学生でもわかるように解説してください |
アドバイス | どうすればいいでしょうか? おすすめの方法はありますか? どう思いますか? |
アイデア出し | アイデアをいくつか出してください 例をいくつか挙げてください 構成を考えてください |
役割を与える | あなたはプロの〜です あなたは〜の専門家です ◯◯風に回答してください |
文字数の抑制 | なるべく簡潔に回答してください 〜文字以下で回答してください 簡潔にまとめてください |
除外させる | 〜は除いてください 〜は避けてください |
手順やガイド | 始め方を教えてください 手順を教えてください このエラーの意味を教えてください |
比較させる | 比較してください それらの違いは何ですか? メリットとデメリットを教えてください |
予測させる | 〜の場合どうなりますか? 〜だとしたらどうなりますか? |
出力形式の指定 | 箇条書きでリストアップしてください 表にしてください |
プロンプト考案 | どの様なプロンプトがいいでしょうか? プロンプトの例をあげてください |
まとめ
ChatGPTを利用する際の、プロンプトの基本とコツを解説しました。
まずは、プロンプトの5つの基本を抑えましょう。
- 具体的に言う
- 指示や命令を出す
- 丁寧な言葉を使う
- 状況を設定する
- 条件やスタイルを指定する
まず、これらを抑えていくのがポイントです。
そして、回答精度を上げるコツを駆使していけば、誰でもChatGPTを使いこなせる様になると思います。
そして自分の用途に合わせて、ChatGPTを活用していきましょう。