ギリシア神話というのは、西洋世界の文化的・精神的な基盤と言えるものです。
あらゆる芸術において、主要なテーマとして扱われてきました。
聖書と並び、まさに西欧文化の根幹を成すものと言えます。
そして現代においても、その影響は至るところに深く根付いています。
星や花の名前、社名や商品名、マンガやアニメなどのサブカルチャー。
そこでここでは、現代に息づくギリシア神話を紹介したいと思います。
様々なところで由来や語源となっていますよ。
僕は大学で西洋史を専攻していました。西洋の歴史や文化なら任せてください。
それでは現代に生きるギリシア神話を見てみましょう。
その影響は様々な分野に及び、誰もが知っているものばかりですよ。
いかにギリシア神話が、人類の歴史や文化に強く影響してきたかがわかると思います。
国際的な基準など、現代においても非常に重要なものばかりです。
なんと、ヨーロッパという言葉の由来もギリシア神話にあります。
ゼウスにさらわれ花嫁となった、フェニキアの王女エウロペに由来しています。
まさにギリシア神話が、西洋世界の文化的な基盤であることを伺わせます。
有名な天体の中にも、ギリシア神話にまつわるものが多いです。
太陽系などは、ほとんどがそうです。古代ギリシア文明において、天文学が起こり発展したことが大きいでしょう。
ローマ神話における神々の名前で、太陽系の星々は名付けられています。
と言った具合です。
代表的な星座の多くも、ギリシア神話にまつわります。
星座の歴史は非常に古く、古代ギリシアの更に遥か以前の古代メソポタミアがその起こりとされます。
そして最も基本となるものが十二星座です。
これらの星座にギリシア神話の神々や英雄たちが結びついて、様々な物語として成立していきました。
万国共通の化学における元素。
この中にも、ギリシア神話を由来としたものが数多くあります。
例えば、チタンは巨人のティタン神族が元になっています。ウランは天空神ウラノスに由来します。
他にもいくつもの元素が、ギリシア神話をその語源としています。
世界最大のイベントであり、スポーツの祭典としてお馴染みのオリンピック。
その起源も古代ギリシアにあります。
紀元前8世紀頃に、ゼウスに捧げるための競技会として始まりました。
それが行われた土地の名がオリンピアであり、オリンピックの名前の由来となります。
アメリカのNASA(アメリカ航空宇宙局)が、人類初の月面着陸を成し遂げたプロジェクトの名がアポロ計画です。
その由来は、ギリシア神話を代表する神の一人であるアポロンです。
アポロンは芸術と予言の神です。また医術や太陽も司る、非常に多くの性格を持った万能な神です。
ギリシア神話における最高位の神々、オリュンポス十二神の1人でもあります。
イージス艦は、アメリカ海軍が開発したイージスシステムを搭載した艦艇の総称です。
対空・対艦・対潜水艦など、あらゆる局面に対応できる高度な性能を持ちます。
このイージスの由来は、ギリシア神話における女神アテナが装備していた防具「アイギス」です。
聖なる力に守られており、あらゆる厄災をはらう力があるとされます。
アテナもオリュンポス十二神の1人で、戦いと知恵の女神です。
有名な悲劇の豪華客船タイタニック。
その由来となるのが、ギリシア神話における巨人の神々、ティタン神族です。
オリュンポス十二神との間で、全宇宙の統治をかけた全面戦争を行いました。
ティタン神族は敗れ、タルタロスという奈落に封印されました。
また英語で巨人をあらわすタイタンの由来でもあります。
世界的なスポーツ用品メーカーであるナイキ。
その由来となるのが、ギリシア神話における女神ニケです。
アテナに仕える勝利の女神であり、背中には翼を持っています。
ナイキお馴染みのロゴマークは、このニケの翼をイメージしたものです。
高級ファッションブランドのヴェルサーチ。
そのロゴマークは、あの有名な怪物メデューサです。
ギリシア神話の中でも最も有名な怪物ですね。
創設者が古代の神話に興味があり、魅力、誘惑、虚栄など、様々な意味を込めて採用したとされます。
もはや世界中でお馴染みのスターバックス。
その有名なロゴマークも、ギリシア神話にまつわるものです。
意外なことに、女神ではなく怪物がそのモチーフになっています。
セイレーンという海の怪物で、どちらかというと人魚に近いものですね。
航海を想起させること、またセイレーンは美しい歌声で船乗りを魅了したことから、多くの人々を魅了したい、という想いが込めれられているそうです。
現代に息づくギリシア神話を紹介しました。
ここで挙げた他にも、まだまだいくつもあります。
それだけこの神話体系が、人類の歴史や文化に深く影響してきたということです。
西洋世界における、まさに文化的・精神的な基盤であると言えるでしょう。