12星座の由来にまつわるギリシア神話の物語!

夜空に輝く星々はロマンを感じさせ、古代から人々を魅了してきました。

星座はその象徴というべきものだと思います。

ここではその中でも最も基本である、12星座にまつわる物語を紹介します。

その由来は、古代のギリシア神話から来ています。

星座はじめ天体には、ギリシア神話に由来するものが多い。

遠い昔から人々は空を見上げ、そこに輝く星々にロマンや神秘を感じていたのです。

そこに神話の物語を重ねるのは、とても自然な流れだったと思われます。

僕は大学で西洋史を専攻していました。西洋の歴史や文化なら任せてください。

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12星座とギリシア神話

星座自体の歴史は非常に古く、古代ギリシアの更に遥か以前の古代メソポタミアがその起こりとされます。

そして最も基本となるものが12星座です。

これらの星座にギリシア神話の神々や英雄たちが結びついて、様々な物語として成立していきました。

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おひつじ座(牡羊座、Aries)

継母イノのいじめから2人の王子を守るため、ゼウスから黄金の羊が遣わされました。

2人を背中に乗せた羊は、大空を駆けて無事その保護に成功します。

ゼウスはこの羊の手柄を讃えて星座にしました。

この羊の黄金の毛皮は、英雄たちが探し求めるアイテムにもなります。

おうし座(牡牛座、Taurus)

フェニキアの王女エウロペに魅せられたゼウスは、牡牛に姿を変えて近づきます。

そしてエウロペを背中に乗せると、クレタ島まで連れて行きます。

正体を明かしてエウロペと結ばれると、この時の牡牛の姿を星座にしました。

ふたご座(双子座、Gemini)

スパルタの王子である、カストルとポリュデウケス。

カストルの父はスパルタ王ですが、ポリュデウケスの父は神ゼウスでした。

そのためポリュデウケスは不死身でした。

いとことの争いによってカストルが死ぬと、残されたポリュデウケスは嘆き悲しみます。

そして不死を分かち合いたいとゼウスに願います。ゼウスはこれを聞き入れ、2人を天に上げ星座にしました。

かに座(蟹座、Cancer)

英雄ヘラクレスは、多頭の竜の怪物であるヒュドラと戦います。

このとき、ヒュドラと同じ沼に住むカニも、ヘラクレスに挑んできました。

カニはヘラクレスに叩き潰され、ヒュドラも退治されます。

女神ヘラは、このカニの勇敢さを讃えて星座にしました。

しし座(獅子座、Leo)

英雄ヘラクレスは、非常に頑強で獰猛なライオンとも戦いました。

鉄のように硬い皮膚には、矢も剣も弾かれました。

このライオンに対し、ヘラクレスは素手で掴みかかります。

そして、首を3日間に渡り締め上げて退治しました。

女神ヘラはこのライオンを気に入り、天に上げて星座にしました。

おとめ座(乙女座、Virgo)

おとめ座は、オリュンポス十二神のひとりである女神デメテルです。

デメテルは大地と豊穣の女神です。手には象徴である稲穂を持っています。

おとめ座が天に上がらない期間は、穀物の育たない冬になります。

オリーブと古代ギリシア

古代ギリシアの栄えた地中海地域は、暑く乾燥した気候です。果樹栽培に適しており、古代からオリーブやワインが主要な生産物でした。特にオリーブは交易品として重要で、ギリシアの繁栄を支えました。またオリーブは、女神アテナから贈られた聖なる木とされています。

てんびん座(天秤座、Libra)

てんびん座は、女神アストライアが持つ天秤だとされます。

アストライアは天秤で善悪を測り、人々を善行へと導く正義の女神です。

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さそり座(蠍座、Scorpius)

ポセイドンの息子オリオンは、狩りの腕を自慢して「地上のすべての獣を仕留めてみせる」と言い放ちました。

これに女神ガイア(または女神ヘラ)は怒ります。

「狩りの獲物は神が与えた大地の恵みである。その感謝を忘れた者には罰を」

そう言ってオリオンのもとに、さそりを遣わせます。

さそりはその猛毒の一撃によって、オリオンを殺します。

この功績を讃えられ、さそりは天に上げられ星座となりました。

いて座(射手座、Sagittarius)

いて座は、ケンタウロスの賢者であるケイロンが、弓を引く姿です。

優れた知性を持つケイロンは、数々の英雄たちを育て上げました。

しかし、ある時ヘラクレスが放った毒矢が誤って当たり、ケイロンは命を落とします。

これを見たゼウスが、これまでの功績を讃えて、天に上げ星座にしました。

やぎ座(山羊座、Capricornus)

神々がナイル川で宴会を開いていたところ、突如として怪物テュポーンが現れました。

驚いた神々は動物に姿を変えて逃げ出します。

ヤギの姿をした牧神パンは、ナイル川に飛び込んだところ下半身だけが魚になりました。

神々はその姿を面白がり星座としました。

みずがめ座(水瓶座、Aquarius)

オリュンポスで神々に酒を注ぐ役として、ゼウスはトロイアの王子ガニュメデスを選びます。

鷲に姿を変えて、ガニュメデスを天上へとさらいました。

これに父母はひどく嘆き悲しみました。

これを気の毒に思ったゼウスは、酒を注ぐガニュメデスの姿を星座にしたとされます。

ワインと古代ギリシア

オリーブと並び、古代ギリシアの重要な交易品がワインです。古くからブドウの栽培によるワインの生産が盛んで、古代ギリシア繁栄の要素のひとつとされます。ここから地中海全体に、ワイン文化が広まっていきました。

うお座(魚座、Pisces)

神々がナイル川の宴会で怪物テュポーンに襲われた際、女神アフロディーテと愛の神エロスは、魚の姿に変身して川に飛び込みました。

その際はぐれない様に、互いの尾をリボンで結びました。

このときの姿が、そのまま星座とされました。

『ギリシア神話の教科書』

まとめ

12星座にまつわる、ギリシア神話の物語を紹介しました。

それぞれ神話にまつわる、ユニークな由来を持っているんですね。

古代から人々は、星に対して様々なロマンを感じていたことが伺えます。

また神話と関連づけることで、よりその存在を近くに感じることができたのでしょう。

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