ギリシア神話

ギリシア神話に登場する英雄たち!ヒーローは試練に立ち向かう!

ギリシア神話を語る上で欠かせないのが英雄たちです。

この英雄たちの冒険譚こそ、ギリシア神話の真骨頂といっても過言ではありません。

現代におけるヒーローの起源であり、元祖であるとも言えるでしょう。

ここでは、そんなギリシア神話の英雄たちを一覧にして紹介したいと思います。

僕は大学で西洋史を専攻していました。西洋の文化や歴史なら任せてください。

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ギリシア神話は西洋世界の精神的な基盤に深く根づいています。

その神話的イメージは、現代においてもあらゆる人々が共有しているものです。

そして西洋における芸術活動に非常に影響を与えてきました。

文学、音楽、美術、演劇、映画などなど様々な芸術作品にその影響を見てとることができます。

ギリシア神話を知ることは、西洋社会を読み解く上でも非常に役立ちますよ。

ギリシア神話の英雄たち!

ギリシア神話に登場する主な英雄たちを紹介していきます。

まずは英雄たちの基本的な特徴を抑えましょう。

英雄たちの特徴
  • 人間もしくは半神半人である
  • 旅に出て試練に立ち向かう
  • 試練を乗り越えて帰還する

ギリシア神話の英雄は、基本的に人間であるか、神と人間のハーフです。

そして、何らかの目的を背負い冒険の旅に出ます。

その冒険の中で、様々な試練や苦難を与えられることになります。

それを乗り越えて成長し、輝かしい功績とともに帰還します。

こうした英雄の冒険の基本的パターンは、世界中の神話に共通して見られます。

神話学の権威ジョーゼフ・キャンベルは、英雄の物語に共通したパターンを「英雄の旅(ヒーローズ・ジャーニー)」と呼びました。

ヘラクレス

ギリシア神話の中でも最も有名な、無敵の英雄がヘラクレスです。

ゼウスと人間の女性との間に生まれました。

その強さはオリュンポスの神々にも匹敵する、桁違いのものです。

ギリシア神話においても、最強クラスと言えます。

まず、赤ん坊のときに蛇を握り殺しています。

そして凄まじい剛力に加えて、武術全般を修めています。

数々の猛獣を生捕りにし、非常に頑強なライオンを絞め殺しました。

またヒドラや巨人といった、怪物たちとも戦いました。

そうした様々な冒険を乗り越えて、数々の功績をあげていきます。

神々の大戦争ギガントマキアにも参加して、オリュンポス十二神を助けました。

死後は天に登りヘラクレス座となります。

ヘラクレスがつくったジブラルタル海峡

目的地へ向かう途中に巨大な山脈があったので、近道をしようと思ったヘラクレスは怪力で山を真っ二つにしました。その時に大地も裂けて大西洋と地中海がつながります。この神話にちなみ、ジブラルタル海峡にある岩山はヘラクレスの柱と呼ばれています。

テセウス

テセウスは、怪物ミノタウロス退治で有名な英雄です。

アテナイの王族の生まれですが、ポセイドンが親であるという説もあります。

テセウスもまた、数々の冒険を乗り越えて功績をあげます。

最も有名な冒険譚が、クレタ島のミノタウロス退治です。

頭が牛で、体は人という姿の怪物です。

ミノタウロスが幽閉されているラビリンスは、内部が複雑な迷宮になっていました。

しかしテセウスは、アリアドネという娘からもらった糸を使いこれを攻略します。

そして、ミノタウロスを見事に打ち倒しました。

上半身は人で、下半身が馬なのはケンタウロスです。

ペルセウス

怪物メデューサ退治で有名な英雄がペルセウスです。

ゼウスと人間の女性との間に生まれた半神半人です。

最も有名な冒険譚が、ゴルゴーンのメデューサ退治です。

ゴルゴーンは頭髪が毒蛇で、その姿を見た者を石に変える怪物三姉妹です。

その1番末の妹がメデューサでした。

ペルセウスはオリュンポスの神々の助力を得ながら、メデューサを見事に討ち取りました。

メデューサの首が持つ石化の力は、ペルセウスのその後の冒険でもたびたび利用されます。

死後は天に登り、ペルセウス座となりました。

メデューサはもともとは美人でしたが、女神アテナの怒りを買って、怪物に変えられました。

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アキレウス

ホメロスの叙事詩『イリアス』の主人公でもある、大英雄がアキレウスです。

女神テティスと人間の王の間に生まれました。

トロイア戦争において、獅子奮迅の活躍を見せます。

たったひとりで形成を逆転させるほど、戦場において無敵の強さを誇りました。

戦争に勝利する直前に、唯一の弱点である踵に矢を受け、その傷がもとで命を落とします。

アキレウスの踵

女神テティスは、生まれたアキレウスを冥府の川につけて不死身にします。このとき足首を握ったままだったので、踵の部分だけは不死身になりませんでした。

オデュッセウス

ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』の主人公が、オデュッセウスです。

王族のもとに生まれた人間の英雄です。

腕っぷしよりも、知恵によって試練を乗り越えるタイプです。

トロイの木馬の発案者で、戦争を勝利に導きました。

その戦争からの帰還の途中に、嵐にあって流されます。

そこから数々の試練を乗り越えていくことになりました。

その冒険譚が『オデュッセイア』で語られています。

オデュッセイアは、英語でオデッセイです。「長い旅」を意味する単語としても使われます。

アエネイアス

ウェルギリウスの叙事詩『アエネイアス』の主人公です。

女神アフロディーテとトロイアの王族との間に生まれました。

勇猛な武将としてトロイア戦争で活躍します。

トロイア滅亡後にイタリアに逃れ、その後のローマ建国の祖となったとされています。

『ギリシア神話の教科書』

まとめ

ギリシア神話の英雄たちを紹介しました。

その特徴や冒険を知ることで、より西洋文化に対する理解が深まると思います。

神話はいつの時代も変わらない、人間の普遍的な精神性を語ってくれます。

また英雄たちの物語は単純に面白いので、知っておいて損はありません。