経済・財政

ビジネス感覚で政治をするな!国家経営は企業経営と同じではない!

政治をビジネス感覚でこなしてはいけません。

国家経営は企業経営と同じではないからです。

深刻な不況をもたらし、経済を悪化させます。平成からの日本の状況が、それを証明しています。

新自由主義は明らかな間違いです。と言うか、デフレ不況の原因でもあります。

ここでは、ビジネス感覚の政治がダメな理由を、分かりやすく解説します。

国家経営は企業経営と同じではない!

国家経営と企業経営を同一視している学者や政治家やビジネスマンが多いです。

行政サービスの縮小、民営化の拡大、コストカットなどを是とする考え方です。

なるべく市場の自由競争に任せよう、

なるべく財政出動を減らそう、

なるべく政府の事業を民間に託そう、

といった考え方です。

要は、小さな政府ですね。

これはアメリカで生まれたもので、新自由主義と言います。

自己責任を基本とし、低福祉低負担がモットーです。

またグローバリズムを推進します。

日本では90年代以降に始まり、2000年代の小泉政権下で本格的に導入されました。

そして今でも継続されています。

さて、これらは国家経営として有効だったのでしょうか?

答えはハッキリ出ています。

全くの逆効果です。

平成から続く日本のデフレ不況の原因です。

経済成長を鈍らせ停滞させてきました。

なぜなら、国家経営と企業経営は同じではないからです

政府は赤字にならないとダメ!

新自由主義とは、ザックリ言うと「企業を経営するように国家を経営しよう」という考えです。

企業経営の考えを、そのまま政治に取り入れたものです。

行政サービスの縮小、民営化の拡大、財政のコストカットなどが特徴です。

一見良さそうに思えるかもしれません。

しかし、決定的に間違っています。

なぜなら、国家経営においては全くやるべきことが逆だからです。

まず、新自由主義はお金の仕組みを分かっていません。

政府の財政を、企業や家計と同じ次元で捉えています。

これが決定的な誤りです。

政府の赤字を抑えてはいけないのです。

どういうことか、分かりやすく説明していきます。

誰かの支出は誰かの収入である

誰かの借金は誰かの資産です。

誰かの赤字は誰かの黒字です。

誰かの支出は誰かの収入です。

お金には必ず、こうした表裏一体の関係性があります。

例えば、お肉屋さんでコロッケを買ったとします。

自分にとっては支出ですが、お肉屋さんにとっては収入です。

誰かがプラスのときは、必ず誰かがマイナスなのです。

そもそもお金は借金と共に生み出されています。

これがお金の仕組みの基本です。

政府が赤字のとき黒字になるのは誰か?

では、国家経営の話しに戻りましょう。

政府の財政であっても、お金の表裏一体の関係性は同じです。

そうすると、政府が赤字のとき、黒字になっているのは一体誰でしょうか?

そうです。

政府が赤字のとき黒字になっているのは国民です。

政府と表と裏の関係性にあるのは国民なのです。

つまり政府が赤字になるほど、国民の資産が増えます。つまり所得が増えます。

十万円の一律給付金が、わかりやすい例ですね。

国債発行による財政出動で、政治の赤字は増えました。

一方で、国民は十万円の黒字になりました。

表と裏の関係性なのです。

そして、これが本来やるべきことです。

政府が赤字になるほど、国民の黒字が増えます。国民の所得が増えれば、当然消費も増えます。

消費が増えれば、景気が良くなり経済が成長します。

ビジネス感覚で政治をするな!

新自由主義がダメな理由はハッキリとしています。

政府の赤字を抑えてはいけないのです。

では今一度、ビジネス感覚の国家経営を確認してみましょう。

新自由主義の考えでは、政府の赤字をなるべく減らそうとします。

行政サービスを減らし、コストカットや民営化を進めれば、政府の赤字は抑えられるでしょう。

でも、政府の赤字は国民の黒字でしたね。

つまりどういうことか。

結果的に、

「国民の所得をなるべく増やさない」「消費を抑える」「経済の成長を抑える」

ということをしているのです。

これが悪循環になったものがデフレスパイラルです。

政府の赤字を抑えていいのは、あくまで景気が良すぎるときです。

まして、不況のときに政府の赤字を抑えたら、破滅しかありません。

経済やお金の仕組みを分かっていない、明らかに間違えたやり方です。

一体誰が得をするのでしょうか?

国民が豊かになることが出来ず、経済の成長が鈍り停滞します。

みんなが破滅していきます。

それが新自由主義であり、ビジネス感覚による国家経営です。

自己責任によるビジネス感覚が有効なのは、あくまで企業経営においてです。

国家経営においては全く逆です。

政府の赤字を抑えてはいけません。

財政を積極的に活用する必要があります。消極的ではダメなんです。

政府が主体的に需要を生み出す必要があります。

つまり、必要なのは積極的な財政出動です。

これは実体経済への投資に他なりません。

市場の自由競争だけに任せても、経済は成長しません。

個人や民間企業頑張りだけでは無理です。

それは、平成から続く日本の現状が証明しています。

だから、ビジネス感覚で政治をしてはいけないんですね。

まとめ

国家経営と企業経営は、似て非なるものです。

新自由主義という考えは、明らかに間違いです。

ビジネス感覚の政治は、国家のやるべきことと見事に真逆だからです。

政府は赤字を拡大して、積極的に需要を生み出す必要があります。

国民の所得を豊かにする必要があります。

政治が赤字を抑えてはいけません。

政府が赤字を抑えていいのは、あくまで景気が良すぎるときだけです。