人類史上でも最も繁栄した、巨大帝国である古代ローマ。
その歴史の中でつくられた、様々な芸術作品を紹介したいと思います。
古代ローマでは、現代社会にもつながる素晴らしい技術が生み出されました。
そうした歴史や文化も合わせて解説していきます。
僕は大学で西洋史を専攻していました。西洋の文化や歴史なら任せてください。
古代ローマとは何か?
古代ギリシアの次に、西洋世界の主役となったのが古代ローマです。
イタリア半島の都市国家にすぎなかったローマが、地中海世界全体を支配する大帝国にまで発展しました。
ギリシアの学問を引き継いだことで、高度な文化水準を有していたことが大きいでしょう。
紀元前8世紀に建国され、共和制の後に帝政となります。
西ローマ帝国崩壊まで、実に千年を超えて続いた強大な帝国でした。
また古代ローマは、レス・プブリカと呼ばれる高度な政治システムを作り上げました。
これは政治共同体としての理念で、その後の近代的な国家の礎となるものです。
古代ローマは、史上最も巨大な国だと言えるでしょう。
古代ローマを代表する芸術作品
古代ローマでは芸術活動も活発でした。
建築、絵画、彫刻、モザイクなどが代表的な作品です。
ギリシアの芸術文化の多くが、本や教えを通じてローマ帝国でも引き継がれていました。
そのギリシア美術を手本として、様々な作品がつくられました。
絵画
19世紀に、古代ローマの絵画が非常に良い保存状態で発見されました。
それらは、ポンペイやヘルクラネウムなどの遺跡で見つかったものです。
これは西暦79年のベスヴィオ山の噴火によって、街全体がそのままの状態で埋まったためです。
当時の人々には悲劇であった災害が、古代ローマの文化を現代に伝えることとなったのです。
都市を飲み込んだ火山灰が、ちょうど乾燥剤の様な働きをして、保存状態を良好に保ったそうです。
古代ローマでは、水を供給するために数多くの水道が建設されました。これらは古代ローマにおける最も偉大な業績のひとつです。この古代の水道は非常によくできており、現代においても使用され続けています。
彫刻
古代ローマでは、ギリシアと同様に彫刻作品が数多くつくられました。
膨大な数のギリシアの彫像がローマに輸入され、神殿はしばしば再利用されたギリシアの作品で飾られていました。
非常に精巧なつくりで、技術力の高さを伺わせます。
彫刻家はほとんどギリシア人であり、多くの場合奴隷です。
古代ローマ社会において、奴隷は肉体労働だけでなく、高度な知的労働にも従事していたのです。
古代ローマでは奴隷が重要な役割を担いました。解放されてローマ市民となることもできました。
『西洋美術は「彫刻」抜きには語れない 教養としての彫刻の見方』
ローマ帝国内では、大規模に街道が整備され、地中海全域に網の目のように敷設されました。この一大交通ネットワークは、交易や物流など経済面を大きく促進させます。ローマ帝国の繁栄の大きな要因であったと言えます。
建築
古代ローマの建築技術は極めて優れていました。
コロッセオやパンテオンといった巨大な建造物をつくっています。
またローマ街道、ローマ水道、公共浴場など、発達した公共インフラを整備していました。
その文化水準は非常に高いものだったと言えます。
ローマの都市は、それまでの都市国家よりも規模・人口共にはるかに大きいものです。
都であるローマの人口は、最盛期には100万を超えるほどの超巨大都市でした。
古代ローマでは、コンクリートが発明され建築に利用されました。頑丈なつくりで、今日でも当時の姿を保っています。
古代ローマでは多くの公共浴場がつくられました。公の施設として建設され、貧富の差を問わず誰でも利用できました。飲食、運動、読書、商売、議論などもできる場所で、いわば総合アミューズメント型のスパ施設でした。皇帝は市民を喜ばせ、名声を後世に残すため、自らの名を冠した豪勢な浴場を築きました。
まとめ
古代ローマにおける芸術作品を紹介しました。
歴史や文化と共に学ぶことで、より理解が深まると思います。
古代ローマでは、ギリシアの高度な文化を引き継ぎ、国家を飛躍的に繁栄させました。
法律やインフラの整備など、国家としての基盤が非常にしっかりしていたのです。
そしてその中で、様々な芸術作品や文化が生まれていきました。