油絵で、青空と白い雲を描いてみたくないですか?
爽やかな青空と白い雲は、とても清々しいです。
風景画の王道であり基本ですね。
その描き方の手順を、わかりやすく紹介したいと思います!
実際に描いている様子と共に、ひとつひとつ解説していきます。
青空と白い雲を描く準備
それでは、青空と白い雲の描き方を見ていきます。
実際のメイキングと共に、わかりやすく解説します。
まず油絵制作では準備が大切です。
主にパレットづくりや、キャンバスへの地塗りなどです。
油絵では下準備が重要である。
パレットをつくる
まずはパレットをつくります。
油絵では、あらかじめ使う色をつくっておくことが重要です。
その方が、作業を格段にスムーズに進められるからです。
入門書としては『油絵Style & Process』がおすすめです。
ここでは、フタロブルーを用いて、空の色をつくっています。
とても鮮やかな青色で、汎用性の高い絵の具です。
つくり方は、フタロブルーにホワイトを混ぜていくだけです。
ホワイトは、チタニウムホワイトです。
最も白く隠蔽力の強い白で、油絵はこのホワイトが無いと始まらない、と言ってもいいくらいです。
油絵ではホワイトをよく使います。大容量のものを買っておくのがおすすめです。
また空というのは、必ずグラデーションになっています。
なので色の階調をつくっておきます。
基本的に、濃い空と明るい空の、2階調つくっておきましょう。
明るい空をつくるには、さらにホワイトを混ぜるだけです。
油絵で使用するオイル
描く際には、主に「乾性油」というオイルを使います。
油絵はこのオイルが無いと始まりません。
リンシードオイル、ポピーオイル、サフラワーオイルなどがあります。
オイルは多すぎても少なすぎてもダメです。気持ち良く絵の具が伸びる量が適切です。
乾性油の他には、揮発性油と乾燥促進剤があります。
キャンバスの下準備
キャンバスには、あらかじめ地塗りをしておくといいです。
絵の具のノリと伸びが良くなります。
地塗り材としては、ジェッソやアクリル絵の具がおすすめです。
青空と白い雲の描き方の手順
それでは実際に、キャンバスに描いていきましょう。
また順を追って、ひとつひとつ解説していきます。
ここでは、まず青空を描いて、それが乾いてから雲を描く、という手法で進めていきます。
油絵を描く手順は、暗部から明部が基本である。
空の色を描く
上から空の色を描いていきます。
筆はなるべく大きめの平筆を使いましょう。
筆は大きめの平筆を用いる。
使用しているオイルは乾性油です。
画面の上半分ほどを塗っていきましょう。
平筆はとても便利で万能な筆です。面を使って広く塗ることも、エッジを使って細部を描くことも出来ます。
明るい空を描く
次に下から、明るい空を描いていきます。
濃い空を描いた筆とは、別の筆を使います。
基本的に油絵では、描いている最中に、筆を洗って色を変えるということはしません。
筆は立たせず、なるべく寝かせて描きましょう。キャンバスに筆を立てて描くと、穂先がすぐにバサバサになってしまいます。
色の境界をボカす
濃い空と明るい空の境界を、ボカしていきます。
油絵は非常に乾きが遅いです。
油絵はグラデーションなど、ボカしの処理がしやすい。
そのため、こうしたボカしの処理がしやすいという特徴があります。
またタッチをどれくらい残すかは、筆のストロークで調整できます。
僕はタッチを強く残すのが好きなので、わざと荒いストロークで描いています。
その辺りは好みでいいと思います。
ちなみに僕が使ってる筆は、ぺんてるのネオセーブルという筆です。お手頃なのに描きやすくて、平筆、丸筆ともにおすすめです。
青空が描けたら乾燥させる
これで青空の色調が描けました。
空の色調が描けたら乾燥させる。
このまま数日間、乾燥させます。
最低でも3日以上は、おいておきましょう。
油絵はどうしても乾燥に時間がかかります。この間に、別の作業を同時進行でするのがおすすめです。
乾く前にどこまで描き、乾いたあとで何を描くか、油絵ではそれを考えておく必要がある。
雲を描く
空の色が乾いたら、雲を描いていきましょう。
また平筆を用います。絵の具はチタニウムホワイトです。
雲は基本的に、上部を膨らませて、左右非対称に描きましょう。
雲には様々な種類があります。ここで描いているのは基本的な積雲です。
基本的な雲の配置ですが、
まず大中小の雲を、全体のバランスを見て描きます。
これによって、まず構図を安定させる訳です。
ところどころ、画面からはみ出させるのもポイントです。それにより、空の広大さやスケール感を表現できます。
また雲の大きさですが、
基本的に上の雲ほど大きく、下の雲ほど小さく描きます。
雲を描く際も、遠近法による奥行きを意識する。
これは上の雲ほど自分の近くにあり、下の雲ほど自分から遠くにあるからです。
遠近法のひとつですね。
水平線近くの雲は、小さくて密集しています。
また細長く、平べったい形をしています。
平筆のエッジを使って描いていきます。
ターレンスの「メタルイーゼル」は、軽量コンパクトで使い勝手がいいです。
また全体的に、S字のラインを意識して雲を配置すると、バランスのいい構図になります。
構図はどんなときも、リズムと流れが重要です。
雲の陰を描く
次に、雲の陰を描いていきます。
陰の色は、ブルーに少しグレーを混ぜた色味です。
太陽の方向を設定し、光の方向を意識しながら描いていきます。
雲の陰は、単純なグレーではありません。
また雲に限らずですが、
晴れた日の陰影というのは、基本的に寒色寄りになります。
暖色の光の陰影は、寒色寄りになる、というのがルールだからです。
また青空からの光の影響もあります。
光と色のルールを把握することは、絵を描くスキルに直結する。
次に、乾いた平筆を使って、雲の輪郭をところどころボカしていきます。
これにより、雲がより空に馴染み、また大気の流れも感じさせる様になります。
乾いた筆を用いて、雲をところどころボカす。
乾きの遅い、油絵ならではの技法と言えるかも知れません。
表面をやさしく撫でる様にしましょう。
青空と白い雲の完成!
それではこれで、青空と白い雲を描くことができました。
お疲れ様です!
まとめ
油絵で、青空と白い雲を描く方法を、わかりやすく解説しました。
風景画を描く際の、参考になればと思います。
ちゃんと基本をおさえていけば、誰でも描けるようになると思います。
また油絵は敷居が高いと思われがちですが、実は初心者でも描きやすい画材です。
是非、気軽にチャレンジしてみてください。