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SNSとフェイクニュース!その実態と影響を詳しく解説

現代社会において、SNSは私たちの生活に計り知れない利便性をもたらしました。

友人や家族との繋がりを保つだけでなく、世界中の情報や出来事に瞬時にアクセスできる様になりました。

しかし、その一方でSNSは、様々な問題や課題も生んでいます。

そしてその一つが「フェイクニュース」です。

SNSは比類ない情報の拡散スピードと広範な影響力を持つため、真偽を確かめることなく広まるフェイクニュースの温床ともなっています。

SNSを利用したフェイクニュースをわかりやすく解説!

本記事では、SNSにおけるフェイクニュースの実態とその影響について、初心者にも理解しやすいように解説しました。

これからの時代を生きていく上でも、フェイクニュースについて学んでおくことは、非常に重要だと思います。

SNSが果たす役割、フェイクニュースの種類や拡散メカニズム、そしてその影響を踏まえながら、どのようにしてこれに対抗するかについても考察していきます。

偽りの情報から、自分自身や社会を守る方法を共に考えていきましょう。

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フェイクニュースとは何か?

そもそもフェイクニュースとは一体何でしょうか?

フェイクニュースとは、主に社会的・政治的・経済的な出来事や事実に関する、意図的な誤った情報や偽情報のことを指します。

これは、事実を歪曲し、読者や視聴者の意見を操作したり、混乱を引き起こしたりする目的で制作・拡散されます。

その拡散に決まって利用されるのがSNSという訳です。

またフェイクニュースは、危機的な状況下において広がりやすく、それらは人々を扇動して社会的な混乱をもたらします。

テロや犯罪、暴動など、治安を揺るがす行為につながる恐れもあります。

意図的な偽情報・誤情報がフェイクニュースである。

フェイクニュースという言葉は、2016年のアメリカ大統領選挙から一般に広く使われ始めたとされます。

ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプの対決でしたが、この選挙戦に置いて大量のフェイクニュースが作成・拡散されたのでした。

そしてフェイクニュースは、過去に比べて情報の拡散が迅速かつ広範囲に行われるSNSの時代において、特に影響力を持つようになりました。

その目的や性質からして、SNSとフェイクニュースは、まさにうってつけの組み合わせなのです。

政治的な宣伝、商業的な宣伝、陰謀論の拡散など、さまざまな動機が絡むことがあります。

重要なのは、フェイクニュースが人々の意識や意見に強く影響を及ぼす可能性がある点です。

そのため、フェイクニュースの実態をよく把握し、その可能性に注意しながらSNSを利用していくことが重要です。

また災害時などの危機的状況下では、人々が不安にかられており、フェイクニュースが特に広がりやすいので注意しましょう。

2020年からの世界的なコロナウィルスの流行においても、様々なデマや陰謀論が主にSNSを通して世界中で拡散されました。WHO(世界保健機関)はそれを「infodemic」と呼び、警鐘を鳴らしていました。

フェイクニュースの特徴

それでは、フェイクニュースの主な特徴を紹介していきます。

フェイクニュースを見抜くためには、いくつかの特徴や典型的な手法に注意を払う必要があります。

現在におけるフェイクニュースは非常に巧みになっていますが、そうした特徴に注意してSNSに接することが重要です。

信頼性の欠如

フェイクニュースは、情報の信頼性の低い形で、突然現れるという特徴があります。

YouTubeやFacebookなどのSNS上に、突如として出現するのです。

そのため、SNS上に極端なニュースがいきなり現れたときは、正確な情報を提供するメディアや専門家の名前などが明示されていない場合は警戒が必要です。

まずは、信頼性のある情報源からの情報を確認することが重要です。

誇張された表現

フェイクニュースは、怒りや喜びなどの感情に強く訴えかける見出しや文章を使うことがあります。

つまり、人目を引きやすくバズりやすい性質を持っています。

そして過度に感情的な表現や大げさな表現が目立つ場合は、情報が歪められている可能性があります。

客観的な言葉遣いや、裏付けのある情報を持つ記事に注目しましょう。

この様にSNSの欠点とも言える特徴として、極端で過激な意見ほど拡散されやすいというものがあります。

フェイクニュースはまさにそれで、SNS上において非常に拡散されやすいのです。

情報の出典と裏付けの不足

信頼性のある情報を提供する記事は、しばしば専門家の引用やデータ、研究結果などを引用しています。

しかし、フェイクニュースの記事はこれらの情報を欠いていることが多いです。

SNS上に突如として現れて、過激で極端なニュースを拡散させます。

そうした極端なニュースがSNSに出てきたときは、情報がどこから来ているのか、どのようなデータや証拠があるのかを確認し、情報の裏付けを求めることが重要です。

フェイクニュースの特徴として、とても極端で過激な内容である場合が多いです。そのため、SNS上において目立ちやすく拡散されやすいです。

フェイクニュースの実態と拡散メカニズム

フェイクニュースは、SNSなどのプラットフォームを通じて、急速に広まる傾向があります。

その拡散メカニズムには、いくつかの要因が影響を及ぼしています。

以下は、関連する調査結果をもとにした拡散メカニズムの分析です。

※山口真一『ソーシャルメディア解体全書』から参照。

世代による誤情報への気付きの差

調査結果によれば、フェイクニュースに接触した人のうち、それを誤情報と気付いていない人の割合が中高年以上の世代で高いことがわかりました。

特に60代では、その割合が驚くほど高く(84.4%)、誤情報を見抜くスキルの向上が求められています。

SNSの利用経験が少ないほど、フェイクニュースに騙される傾向があると言えます。

拡散の連鎖

フェイクニュースに接触した人のうち、43.0%は誤情報と気付かずに1つ以上のフェイクニュースを拡散しているという結果が出ています。

誤情報が拡散される背後には、その情報を信じてしまう人々が拡散の一翼を担っています。

特に「情報リテラシーが低い」「ネット歴が短い」「自己評価が高い」などの特徴を持つ人々が、誤情報を拡散しやすい傾向があります。

世代による情報検証行動の違い

若い世代は、「情報の発信主体を確認する」「他の情報源を探し、確認する」といった情報検証行動をより積極的に実施していることが調査結果から明らかになりました。

若い世代が情報をより慎重に検証し、信頼性のある情報を拡散する傾向が見られます。

これは単に若いからというより、SNSの利用経験が長いからと言えそうです。

それだけフェイクニュースなどの偽情報に接した機会も多く、そうした経験から、よりSNSの情報に対して慎重になっているものと考えられます。

スーパースプレッダーによる拡散

驚くべき事実として、拡散されているフェイクニュースの約95%が、ごく一部のスーパースプレッダーによって拡散されているという結果があります。

スーパースプレッダーは大量拡散者であり、わずかな人数が広範な影響を持つことが示唆されています。

ちなみに炎上なども同じ傾向があり、ごく一部の拡散者が、何度も大量に投稿しています。

これらの調査結果から、フェイクニュースの拡散メカニズムは、情報リテラシーの差や世代の影響、拡散者の特性など、複数の要因によって形成されていることがわかります。メディアリテラシーの向上と慎重な情報検証の実践が、フェイクニュースの拡散を防ぐ鍵となることが示唆されています。

フェイクニュースと生成AI

近年、技術の進化により、人工知能(AI)を用いて文章や画像を生成する技術が急速に発展しています。

これには大きなポテンシャルがありますが、同時にフェイクニュースの問題を深刻化させる可能性もあります。

生成AIの進化による非常に精巧な偽情報は、ディープフェイクと呼ばれます。

画像や動画や音声など、本物と見分けがつかないほど、とても良くできたフェイクコンテンツをつくることができるのです。

生成AIを利用したフェイクニュースが増えている。

そうした生成AIを利用したフェイクニュースは、事実と誤解しやすい内容を、効果的に作成・拡散できるため、慎重な対策が求められています。

このディープフェイクは、これからの時代において、非常に注意するべき問題だと言えるでしょう。

生成AIの仕組みと危険性

生成AIは、学習データからパターンを学び、そのパターンに基づいて新しい文章や画像を生成する能力を持っています。これにより、人間のような文章やリアルな画像が作成されます。

しかし、生成AIはその学習データに含まれるバイアスや偏りを模倣してしまうことがあり、偽情報を生み出す原因となることがあります。

生成AIとフェイクニュースの結びつき

生成AIは、非常に優れたテクノロジーです。しかし、その性能の高さがフェイクニュースに悪用される要因となっています。

画像や音声や動画など、ホンモノと見分けがつかないコンテンツを生成して、フェイクニュースとして利用するのです。

生成AIを利用したフェイクニュースは、とても精巧でリアルなコンテンツを生み出すことができるため、人々が騙されてしまうリスクが高いです。

政治家や有名人の発言を模倣した虚偽の情報や、本物そっくりの映像を生成することによる陰謀論の拡散などが挙げられます。

また、他人の顔を無許可で使用したポルノの作成、偽造の映像や音声を用いた詐欺などもあります。

生成AIの悪用によるフェイクニュースは、この様に社会に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

そして生成AIの進歩と共に、このようなディープフェイクの拡散は年々と増えています。

2022年3月に、ロシアと戦争中であるウクライナのゼレンスキー大統領が、国民に投降を呼びかけるディープフェイクの偽動画が出回りました。FacebookとYouTubeに、何者かによって投稿されたものです。このときは、動画が確認された直後にゼレンスキー大統領本人がこれを否定し、大きな問題にはなりませんでした。

フェイクニュースの社会への影響

フェイクニュースの拡散は、社会に深刻な影響を及ぼすことがあります。その影響について考えてみましょう。

フェイクニュースが拡散されると、次のような影響が広がる可能性があります。

情報の信頼性の低下

フェイクニュースが広まることにより、真実と虚偽の線引きが難しくなり、信頼性の低下が生じます。

人々は情報がどれだけ本当かを見極めるのが難しくなり、正確な情報を得ることが困難になります。

これにより、社会的な混乱や不信感が広がるおそれがあります。

政治への影響

政治的なフェイクニュースは、選挙結果や政策に影響を及ぼす可能性があります。

事実として、フェイクニュースが大きく注目され始めたのは、アメリカの大統領選挙でした。

虚偽の情報に基づいて意思決定が行われることで、国や地域の方向性が歪められるおそれがあります。

また、偽情報を利用して政治的な攻撃やキャンペーンが行われることで、選挙結果や政治家の評判に影響を及ぼす可能性もあります。

社会的な対立や分断

フェイクニュースはしばしば感情的な表現や誇張を含み、人々の間に混乱や対立を引き起こすことがあります。

フェイクニュースは多くの場合においてSNSを利用しています。そして極端で過激な内容ほど、SNSでは拡散されやすいです。

そうしたフェイクニュースが広まり、ユーザーが偽情報を信じることで、社会的な対立がより高まる恐れがあります。

また、もともとSNSでは、エコーチェンバーやフィルターバブルといった現象が働き、対立や分断が起きやすい性質があります。

フェイクニュースによる扇動は、それらにさらに拍車をかける危険性があると言えます。

経済的な影響

フェイクニュースに基づく投資や消費の決定が行われることで、経済にも影響を及ぼす可能性があります。

特に金融市場や企業の評判への影響が考えられます。

また、フェイクニュースを利用した詐欺が横行する危険性もあります。

フェイクニュースは、社会全体へ深刻な影響を及ぼす可能性があります。また、その拡散に利用されるSNS上では、もともと情報の偏りが発生しやすく、フェイクニュースをさらに増長させる危険性があります。

『SNSのリアル』

フェイクニュースへの対策

フェイクニュースの影響を軽減するためには、個人や社会全体で対策を取る必要があります。

フェイクニュースの問題は個人だけでなく、社会全体で取り組むべき重要な課題です。

正確な情報の普及と健全な情報環境の構築に向けて、私たち一人ひとりが寄与することが求められています。

メディアリテラシーの向上

フェイクニュースを見分ける能力を養うために、情報の正しさや信頼性を判断するスキルであるメディアリテラシーを向上させることが重要です。

教育や啓発活動を通じて、情報の出典や裏付けを確認する習慣を身につけることで、虚偽の情報を見分ける能力を高めていくことが期待できます。

教育機関や団体がメディアリテラシーのプログラムを提供することで、より多くの人々が信頼性のある情報を選ぶ力を身につけられるでしょう。

これは子どもたちからお年寄りまで、全世代において必要なことだと言えます。政府が中心に推進し、社会全体で取り組んでいくべきです。

情報の検証と批判的思考

メディアの情報に触れる際には、見出しや記事の内容を疑問視し、情報の出典や裏付けを確認する習慣を持つことが大切です。

特に疑わしい情報を拡散する前に、その真偽を確かめる努力をしましょう。

SNSなどのメディアにおいては、これは特に重要であり、この情報化社会において必須とも言えます。

そうした批判的思考は、情報を客観的に評価し、論理的な判断を下すことに役立ちます。

フェイクニュースを見破るためには、感情に流されずに情報を検証し、疑問を持つことが大切なのです。

プラットフォームの役割

SNSやウェブプラットフォームは、フェイクニュースの拡散に大きな役割を果たしています。

SNSの運営側が、アルゴリズムの運用や情報のバランスを考慮し、虚偽の情報を拡散するリスクを最小化する取り組みが求められます。

また、ユーザーが信頼性の高い情報を見つけやすい環境を提供することも重要です。

行政が中心となり、監視や指導をしていくことが望ましいでしょう。

社会全体としても、SNSのあり方はどうあるべきかよく考え、そのサービスや仕組みに問題がないか、よく注視する必要があります。

フェイクニュースの問題に対抗するためには、個人の努力と社会全体の協力が必要です。事実と虚偽を見極める能力を高め、信頼性のある情報を広めることで、健全な情報環境の構築に寄与しましょう。

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まとめ

SNSとフェイクニュースの関係性について詳しく解説しました。

フェイクニュースは、誤った情報や虚偽の情報を意図的に拡散する行為です。

その影響は社会的、政治的、経済的にも大きな混乱を引き起こす可能性があります。

フェイクニュースは、情報社会において深刻な問題であり、その拡散には個人の努力と社会全体の協力が求められます。

正確な実態を学び、批判的思考を持ちながら信頼性の高い情報を広めることで、健全な社会の実現に寄与しましょう。