油絵に興味はあるが描き方がよく分からない。そういった方も多いのではないかと思います。
そこで、油絵の描き方の基本的な手順を解説したいと思います。
実際に描いている様子と共に、分かりやすく解説していきます。
またテクニックより重要なのが、アイデアやコンセプトです。
自分が何を表現したいかを、大切に描いていきましょう。
まずは構想を練ります。自分のアイデアやコンセプトをまとめます。
実はこの「何を表現したいか」が創作において最も重要です。
それに比べれば、テクニックなど大して重要ではありません。
自分のハートを素直に表現していきましょう。
入門書としては『油絵Style & Process』がおすすめです。
次に具体的な構成を決めていきます。
どういった構図にするか、明暗や色調はどうするか、といった具合に決めていきます。
いきなりキャンバスに描くのではなく、まず小さいスケッチをとるといいですよ。
構図を練る際におすすめなのが、サムネイルスケッチです。
構図を簡潔に描いた、小さなラフスケッチのことです。
ノートでも、メモ帳でも、iPadでも何でも構いません。小さなラフを描くことで、構図の全体のバランスを把握できます。
思いつく構図はどんどん描き出していきましょう。
また明暗や色調など、画面全体の光と色のバランスを「バリュー」または「色価」と言います(仏語ではヴァルール)。
絵の雰囲気を決める重要な要素です。
こういった準備段階で、ちゃんと設定を決めておくのがとても大切です。
実際に描き始める際は、まず下絵から描いていきます。
下絵の描き方は主に3パターンです。おつゆ描き、木炭、カーボン転写、の3つです。
油絵の下絵はある程度アバウトでも問題ありません。大まかな配置や位置関係が分かる程度で大丈夫です。
おつゆ描きは、油絵具をオイルで薄く溶いて描く方法です。水彩ぐらいサラサラの状態で描きます。
使用するのは揮発性油です。
揮発性油だけで描くと、早く乾きツヤのないマットな画面になります。
木炭で描く場合は、必ずフィキサチーフという定着剤で線を保護する必要があります。
そうしないと、絵の具で上から描いた際に、線が溶けて流れてしまいます。
カーボン転写の場合は、まず紙に描いてからカーボン用紙でキャンバスに写します。
木炭と同様にフィキサチーフで線画を保護する必要があります。
本塗りに入っていきます。
使用するオイルは主に乾性油です。
油絵の描き進め方は、基本的に暗部から明部の順番です。
メインのオブジェクトを描き、その後背景を描いていきます。
実際の制作の様子と共に、解説していきます。
最初のうちは、果物や野菜などのモチーフが、描きやすくていいでしょう。
慣れてきたら、人や風景など色々と描いてみましょう。
『画づくりのための光の授業』はおすすめ本です。とても科学的かつ論理的に解説がされています。
油絵が乾燥したら、ワニスなど樹脂をコーティングして画面を保護するのがオススメです。
ホコリやガスから画面を守る役割があります。
また、画面全体に均一な光沢を与えることが出来るので、見栄えもよくなります。
油絵制作の基本的な手順を紹介しました。
ここに示した手順は、あくまでスタンダードなものです。
参考にしても、すべてきっちり従う必要などありません。
自分にとって役立ちそうなものを、取り入れていだだけばいいです。
十人いれば十通りの描き方があるからです。ルールなど無く自由です。
そして何より、自分の思うままに、自由に楽しみながら描いていきましょう!