厚塗りを上手く描いてみたくないですか?
厚塗りで描かれた絵は、立体的でリアルな存在感を感じさせます。
でも、「いまいちやり方がよく分からない!」「画面が汚くなる!」
という方も多いと思います。
そこで、厚塗りの描き方のポイントを、分かりやすく解説したいと思います!
そして参考として紹介するのが、油絵の描き方です。
実は油絵の描き方というのは、厚塗りのお手本とも言えるものなのです。
実際のメイキングと共に、順を追って説明していきます。
厚塗りはコツがわかると意外と簡単ですよ。
では実際のメイキングとともに、厚塗りの描き方を解説していきます。
そして、絵の描き方はデジタルだろうと基本は同じです。十分に応用可能ですよ。
今回描くモチーフは招き猫です。
描くモチーフを決めたら、まず考えるのが光の設定です。
光源の位置はどこか、逆光か順光か、直射光か拡散光か、といった点をなるべく細かく把握しておきましょう。
光はリアルな描写において、最重要ポイントです。
まずは下絵を描きましょう。
ここでは、油絵のおつゆ描きという方法で描いてあります。
厚塗りを描く順番は「暗部から明部」が基本です。
なので、暗部から描いていきましょう。
光の設定をよく意識します。
今回の場合、右上からの順光で、光の種類は拡散光です。
ちなみに、直射光は暖色で、拡散光は寒色になるのが通常です。直射光は日光やスポットライト、拡散光は曇りや蛍光灯の光などです。
次に明るい部分を描いていきましょう。
ポイントは、あまりちびちび描かず、シンプルで大きいストロークで描くことです。
なるべく、少ない筆で描くように意識するといいでしょう。
水泳でも少ないストロークがよしとされます。魚を捌くときも包丁はなるべく少なくが基本です。
「大きい動きで伸び伸び気持ち良く」といった感じですね。
また、ここで重要なポイントが、ハッキリクッキリです。
不透明の色で、ガッツリ濃く描きましょう。
暗部とのコントラストが明確になり、それにより立体感が強調されます。
物体の形状をよく考えながら描きましょう。
物体の表面の形をなぞる様に、筆をストロークさせるのがコツです。
立体や丸みをよく意識します。
更に重要なコツが、「ボカさない」ということです。
なるべく、筆のストロークによるタッチをハッキリ残したままにします。
そうすることで、立体感がうまく表現され、より本物らしくなります。
これが初心者には難しいポイントでもあります。初心者ほど不安で、ついボカしてしまいがちです。
しかし、それが画面が汚くなる原因なのです。
ボカしたくなる気持ちを、グッとこらえましょう。
ハッキリ、クッキリ、ボカさない、ですね。
次に中間の明るさであるハーフトーンの部分を描いていきます。
明部よりも濃さと不透明度を下げて描いていきます。
ハーフトーンは、主に明部から暗部に切り替わる中間地帯に出来ます。
まるみのある部分に出来やすい、と言ってもいいですね。
また物体の形状を意識して、その表面をなぞる様に筆をストロークさせます。
ハーフトーンにより物体の形状が浮かび上がり、リアルさが出ます。
全体が描けたら、細部を描き込んでいきます。
初心者ほど、描いている際中に細部を気にしがちです。僕もそうでした。
しかし、実際は細部は最も気にしなくていいです。一番最後に描きこめばいいだけだからです。
全体のバランスの方が遥かに重要です。
メインが描けたら背景を塗っていきましょう。
なるべく大きい筆を使うのがポイントです。
これで立体感、存在感のある厚塗りが出来ました!
お疲れ様です!
実践的な厚塗りのコツを紹介しました。
油絵の描き方は、厚塗りの教科書とも言えるものな訳です。
そして、この基礎基本はデジタルでも問題なく応用出来ます。
より本物らしい、存在感のある厚塗りを描いてみましょう。