油絵で人物画を描こう!描き方の手順とコツを解説!

油絵で人物画を描いてみたくないですか?

やはり人物は描くモチーフとして魅力的ですよね。

人物画は花形であり王道のモチーフと言えます。

しかし、一方でなかなか描写するのが難しいものです。

特に初心者は苦戦しやすいと思います。

油絵で人物画を描こう!

そこで、油絵での人物画の描き方の手順とコツを、分かりやすく解説したいと思います。

実際に描いているメイキングと共に、ポイントを抑えながら説明していきます。

自分の好きな様に、油絵で人物を描いてみましょう。

やはり人物画は人気があります。はじめは難しいと思いますが、挑戦する価値がありますよ。

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まず事前の準備を入念に!

どんな分野でも言えることですが、まず事前準備が非常に重要です。

これをするとしないでは、結果に雲泥の差が出ます。

油絵の制作の際に必要なのは、

まず、構想やアイデアやコンセプトをよく考えること。

そして、構図や明暗や配色を把握し、どう描き進めるかよくイメージしておくことです。

面倒かもしれませんが、その方が作業は格段にスムーズに進みます。

結果的に時間がかかりません。

テクニックよりも、まず自分が何を表現したいかが大切です。

まずは事前準備が重要である。

油絵で人物画を描く手順を解説!

それでは、人物画を実際に描く手順を見ていきます。

メイキングと共に、詳しく説明していきますよ。

力まずに楽しんで描いていきましょう。

油絵で人物画を描く手順
  1. 下絵を描く
  2. 使う色をパレットにつくっておく
  3. 暗部を描く
  4. ハーフトーンを描く
  5. 明部を描く
  6. 背景を描く
  7. ハイライトを整えて完成!

入門書としては『油絵Style & Process』がおすすめです。

『油絵Style & Process』

下絵を描く

まずキャンバスに下絵を描きます。

おつゆ描き、木炭、カーボン転写などを用います。

油絵の下絵を描く方法
  • おつゆ描き
  • 木炭
  • カーボン転写

ここでは、木炭で描いてあります。また、キャンバスには下塗りをしてあります。

特にどの方法を選ぼうと自由です。僕自身も描く絵によって適宜変えています。

また下塗りには、ジェッソやアクリル絵の具がおすすめです。

おつゆ描き

おつゆ描きとは、油絵の具をオイルでとても薄く溶いて描く方法です。

ペトロールやテレピンといった揮発性油を用います。

早く乾いて、ツヤのないマットな状態になります。

おつゆ描きは手軽ですが、細部までは描きこめません。

木炭

木炭は、デッサン用の木炭を用いて、キャンバスに描く方法です。

木炭は手軽ですが、定着力が弱いです。

描いた後に、フィキサチフなどで線画を保護するといいでしょう。

カーボン転写

カーボン転写は紙などに描いた線画を、カーボン紙を用いてキャンバスに写す方法です。

要はトレースですね。

カーボン転写はやや手間ですが、細部まで描き込めます。木炭同様に線画を保護するといいです。

『人体ドローイングマスターコース』

下絵の描き方には、おつゆ描き、木炭、カーボン転写などがある。

使う色をパレットにつくっておく

本塗りに入る前に、使う色をあらかじめパレットにつくっておきましょう。

あまり馴染みのないものだと思います。しかし、油絵では非常に重要な作業なんです。

その方が、その場で色をつくりながら描くよりも、遥かにスムーズに作業が進むからです。

油絵は粘性の高い絵の具なので、混色は筆ではなくペインティングナイフを用いるのが一般的です。

そのため描きながら色をつくっていては、非常に手間取るのです。

配色を事前によく考え、使うであろう色をつくっておきましょう。

暗部を描く

油絵の描き方は「暗部から明部」の順番が基本です。

デジタルで言うところの厚塗りですね。

なので、暗部から描いていきましょう。

日陰の色味

今回は直射日光によるライティングです。

日光は暖色の光なので、日陰は寒色になります。

そのため日陰の色味は「固有色+ブルー」で描きます。ウルトラマリンがおすすめです。

少し専門的な話ですが、

暖色の光による暗部は、寒色寄りになります。寒色の光による暗部は、暖色寄りになります。

難しいかもしれませんが、超重要な光と色のルールです。



「ひなたは暖色、日陰は寒色」と覚えておくといいですよ。

ハーフトーンを描く

リアルな描写に欠かせない要素がハーフトーンです。

中明部のことで、要は暗部と明部の間の、中間の明るさの色味のことです。

ハーフトーンを描くことで、より立体的で本物らしく見えます。

反射光が当たる部分や、ひなたと日陰の境目などが、代表的なハーフトーンです。

よく観察して描き込んでいきましょう。

ハーフトーンは、固有色の色味で描くとうまくいきやすいです。

暗部やハーフトーンを、しっかり描くのが重要である。

反射光

反射光とは、光源からの光を物体が反射して出来る光のことです。

地面からの光が最もよく現れる反射光です。

物体の陰の部分に反射光がよく見られます。

あごの下、鼻の下など、下を向いている面に強く反射光が当たります。



実際に日常の中で観察してみましょう。様々なところの反射光が見つかりますよ。

ひなたと陰の境目

固有色の鮮やかな色味が、最もよく見えるのが「ひなたと陰の境目」です。

陰に切り替わる直前の部分に固有色を塗ると、より本物らしいリアルな描写になります。

『画づくりのための光の授業』

光の法則を知っておくことは、絵を描くスキルに直結する。

明部を描く

では、明部を描いていきましょう。

あまりちびちび描かず、大きいストロークで伸び伸び描くのがコツです。

また、どうしても明部が目を引くので、初心者はそこに意識を取られがちです。

もちろん明部も重要ですが、暗部やハーフトーンの設定も同じくらい重要です。

それがないと、明部はちゃんと明るく見えません。

ひなたの色味

固有色にホワイトを加えただけでは、ひなたは明るく輝いて見えません。

日光は暖色の光だからです。

ひなたは「固有色+明るい暖色+ホワイト」で描くといいです。

暖色はジョーンブリヤンという、明るい肌色の絵の具がおすすめです。



室内の蛍光灯や曇りの場合は、光の種類は寒色です。固有色にホワイトを混ぜるだけで明るく見えます。

背景を描く

背景も基本は同じです。描きすすめる順番は暗部から明部です。

そして、ひなたは暖色、日陰は寒色です。

また、なるべく大きい筆で描くのがコツです。



僕は背景を描く際に、日本のアニメーターの技術を参考にしています。実用的で、油絵でも問題なく応用できるんです。

木々を描く

風景を描くときに重要なコツは「単純化」です。

細部は気にせず、なるべくシンプルな形で捉えます。球体、円柱、箱型などですね。

また枝の一本一本や、葉の一枚一枚などを捉えようとしてはいけません。

なるべく大きくシンプルなかたまりで捉えます。

風景・背景を描く際は、単純化や遠近法が重要である。

地面を描く

地面を描くコツは、遠近をちゃんと意識することです。

地面は単純なので、初心者はベターっと単調に塗りがちです。

地面もちゃんと遠近による描き分けが必要です。

簡単なコツは、「手前ほど濃く、奥ほど淡く」です。

陰影や彩度を、手間ほど強く奥ほど弱く描きましょう。

手前には描き込みを多く、奥には少なくするのも有効です。

空を描く

空を描くコツは、雲の配置によるスケール感の演出です。

雲をうまく描写することで、空の広大さを表現出来ます。

まず、上の方の雲ほど大きく、下の方の雲ほど小さく描きましょう。これも遠近法です。

また、雲は部分的に画面からはみ出す様にしましょう。空の広さがよく表現出来ます。

上級テクニック:被写界深度

少し上級な描き方を紹介します。

ここでも用いている僕がよく使うテクニックなのですが、わざと背景をボカすことです。

背景のエッジをクッキリさせずボカすことで、よりリアルで本物らしい描写になるのです。

ちょうど一眼レフカメラで撮影したように、人物が浮かび上がります。

より肉眼で見た感じに近くなる訳です。要はピントの調節ですね。

こうしたピントの合う範囲を、「被写界深度」と言います。

ウェットオンウェットで、大きい筆で描いていくのがコツです。

被写界深度によるボケは、デジタルだと簡単に表現出来ますね。最近はアニメでも頻繁に使われています。

ハイライトを整えて完成!

明部の上から、さらに明るい色を加えていきます。

最も明るい明部は、乾燥後に描いても構いません。

最後にハイライトを描き込んで完成です。

お疲れ様でした!

完成作品

歴史や文化もわかる 西洋美術史の教科書

まとめ

やはり人物画は描いていて楽しいです。

最初は難しいと思いますが、是非チャレンジしてみて欲しいです。

大切なのは基本を抑えること。

何度も挑戦し、うまくいかないときは何故かをよく考えること。

そして何より楽しんで取り組むことです。

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