油絵で果物を描いみましょう!
果物は描きやすいモチーフで初心者にもおすすめです。
ここでは、描き方の手順を分かりやすく解説していきます。
実際に描いているメイキングの様子と共に、順を追って見ていきます。
ところどころポイントを抑えながら、実用的なコツもふんだんに紹介していますよ。
どんな分野でも同じですが、まず事前の準備が非常に大切です。
油絵においては、構図や明暗や配色を把握し、どう描き進めるかよく考えておくことです。
光源の位置や影の落ち方なども大切です。
スケッチや色のテストなどを試すのもいいです。
面倒かもしれませんが、その方が作業は格段にスムーズに進むので、結果的に時間がかかりません。
入門書としては『油絵Style & Process』がおすすめです。
果物は色彩が鮮やかで魅力的なモチーフです。
形もシンプルで描きやすいので、初心者の練習には打って付けです。
実際のメイキングと共に、描く手順を詳しく解説していきます。
また僕は日光による自然なライティングが好きです。太陽光こそが最も美しい完璧な照明だからです。
ここでは直射日光によるライティングで描いています。描くモチーフはレモンにしました🍋
まず、質のいい資料を手に入れるのも大切です。ネットは非常に役立つツールです。
まず、おつゆ描きで下絵を描きましょう。細部は気にせず、大体の輪郭を描けば大丈夫です。
おつゆ描きとは、油絵具をオイルでとても薄く溶いて描く方法です。水彩の様にサラサラな状態にします。
とても伸びが良く、乾きが早いので下絵に最適です。
用いるオイルは揮発性油のテレピンやペトロールです。
キャンバスにはあらかじめ地塗りをするのがおすすめです。絵の具のノリが良くなり、深さや重厚感が出ます。アクリル絵の具やジェッソなどを用います。
まずは、陰から描いていきます。
油絵は基本的に暗部から明部の順番で描きます。
今回の場合、陰の部分は固有色にブルーなど寒色の絵の具を足して描きましょう。
暖色の光で出来る陰影は寒色寄りになります。逆に寒色の光で出来る陰影は暖色寄りになります。
少し難しいかもしれませんが、非常に重要なルールです。
「太陽光の場合、日陰は寒色になる」と覚えておけばオーケーです。
次に、明るいひなた部分を描きます。
ここで、固有色にただホワイトを足しただけでは明るく見えません。
太陽光は暖色の光なので、ひなた部分はその影響を受けます。
なので、固有色にホワイトだけでなく明るい暖色の色を足します。
僕は明るい肌色のジョーンブリヤンをよく使います。
そういった訳で、ひなたは「固有色+明るい暖色+ホワイト」で塗ります。
光の具合を良く見て、暖色の絵の具とホワイトの量をうまく調整しましょう。
曇りや室内など寒色の光であれば、ホワイトを足すだけで明るく見えます。
明部と暗部の境目辺りに、物体の固有色が最もよく現れます。
ひなたから陰に切り替わる寸前のところです。その辺りに固有色を塗りましょう。
続いて、陰の部分に反射光を描きましょう。
反射光とは物体からの反射による光のことです。最も代表的でよく見られるのが、地面からの反射光です。
反射光はリアルな描写に欠かせない、非常に重要な要素です。
そして、反射光は陰の部分によく現れます。
また反射光は大抵の場合、暖色の色味になります。太陽光が暖色の光だからです。
反射光は固有色の色で描くと、うまくいきやすいです。
続いて影を描いていきましょう。
晴れの日に出来る影は、寒色寄りになります。上でも言った通り、暖色の光の影は寒色です。
また、晴れの屋外の場合は、空の青の影響も受けています。
そういった訳で、影を塗る際は「固有色+ブルー」がいいです。
ブルーの色味はお好みでどうぞ。僕は普段ウルトラマリンをよく使っています。
ところで、影と陰の違いは分かりますか?
では、背景を描いていきましょう。
背景など広い面を塗る際は、大きな平筆がオススメです。
この場合、背景はひなたなので「固有色+明るい暖色+ホワイト」で塗ります。
また油絵の場合、ある程度大雑把というか、ラフに塗る方が僕は好きです。
わざとタッチを残す様に、大きな筆使いで描くといいと思います。
大胆に塗ることで、所々ムラが出来ます。それが味になる訳です。また、地塗りの色が少し透けて、それも味になります。
それらが油絵独特の存在感に繋がります。
最後にハイライトを描き込みます。
ハイライトは乾燥後に描いてもいいです。
そうすれば、うまくキマるまで何度もやり直しが出来ます。
では、これで完成になります!お疲れ様でした!
油絵で果物を描く手順を紹介しました。
まず、基本やポイントを抑えることが重要です。そしてうまくいかないときは、なぜかをよく考えることです。
そして何より楽しんで取り組みましょう!